163 ある日、森の中で
・・・そういえば、この森の名前がまだ決まっていなかったことに気がついた。
後で出す予定です。
・・・日が暮れてきたけど、バッホーンの群れは見つからない。
だいぶ森の奥にまで来ちゃったけど・・・・
「森の中にはやっぱいないのかなぁ・・・」
見た目がほとんど牛のようなものだし、草原とかの方にいるのかもしれないな。まあ森の探索は結構楽しくもあったけど。
木の実とかまだタウンになかったようなものもあったし、採取できたのは結構大きい。
ただまあ、ここ虫とかもでっかいのが多いし、虫嫌いにとっては地獄だろう。
俺は虫嫌いではないけど・・・・さすがに3メートルほどの毛虫は背筋がちょっと寒くなる。
見かけた巨大毛虫の事を思い出し、アルはちょっとぶるっと震えた。
なお、成虫になると美しい羽根で有名な虫の幼虫だったけど・・・・育てる勇気はないなあれ。
一応、貴族とかの中には昆虫収拾をしている人もいるようで、モンスターでも虫のような見た目のを捕らえようとする猛者もいるようだ。まあ、関係ない話だけどね。
そろそろ帰宅しようかと思い、人化した状態で毎度おなじみ転移魔法を用意する。
まあ、ただ単に魔法名をつぶやくだけで発動できるし、お手軽になってきたなコレ。
「転移・・・・・ん?」
ふと、何かの視線を感じたので魔法を中止する。
とはいっても、以前の諜報部隊とかが出していたかのような探る視線ではなく、警戒している視線なような気がする。
ここから導出せる結論としては、誰かがこの森に住み着いて見張っていて、俺に対して警戒をしているという事だろう。
森の奥の方だし、そこそこ月日が経っているので人が住みこんでいても不思議ではない。
ここでふと、前にザップリンさんから聞いた話を思い出す。
この森・・・砂漠だった時に言っていたが、元々ここはエルフとやらが住んでいたらしい。
で、そこの国が阿呆なことをやって去っていき、森が無くなって、国が滅んでいったとかいう話だったような・・・・。
その森の跡地の砂漠に、ふたたび森ができたという情報が入ればそのエルフたちが戻ってきて住み着いてきてもおかしくはないのか?
そして、そのエルフが見てきているような感じの視線ではないだろうか?
・・・出会ってみたい種族に入るやつだけど、この様子だと敵対の可能性もあるしな。後日改めて着て調べてみたほうがいいかもしれない。
今日は日帰りの予定だしね。
そう思い、俺は後方・・・視線を感じた方向へ振り替える。
「・・・・そこにいるのはわかっている」
そう言葉をかけると、その方向でがさっと反応したかのような音がした。
「とはいっても、別に俺は怪しいものでもないし、そっちに危害を与えるわけでもない。でも、とりあえず今日のところは帰らせてもらおう・・・・『転移魔法』」
魔法を発動させ、その場から俺は姿を消すのであった・・・・
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SIDE???
「「「人が消えた!?」」」
一瞬にして人がその場から消えたのを見て、その場にいた者たちは驚いていた。
「今のは・・・魔法なのか?」
「人間っぽかったけど、人ではなかったような気配もしたが・・・・」
「何者だったんだ・・・・」
彼らは驚く。
砂漠が消え、森が復活してからはや数ヶ月。
その情報を聞き、再びかつての故郷へと彼ら・・・・エルフたちは還り、集落を奥地で作っていたのだ。
だいぶ集落も形成され、落ち着いてきた矢先に、森の中に何者かの気配を彼らは感じたのである。
違法な奴隷商人とか、森を荒らしに来た者たちかと思ったのだが、その姿を目で確認し、彼らは本能的に感じ取る。
・・・その者、人のような姿をしているが、中身は全くの別物であると彼らの勘は警鐘を鳴らした。
緊迫した空気が流れ、その場に姿を現して話してみるかと思ったところで、その者から声をかけてきた。
いわく、「別に怪しい者ではない」「危害を与えるわけではない」。
「「「「・・・いや怪しいだろ!!」」」」
去ってからようやく彼らはその言葉にツッコミを入れた。
「危害を与えるわけではない」・・・敵対すれば危害を与える可能性を暗喩しているのはまだわかる。
だけど、「怪しい者ではない」とどうしてそこで言えるのだろうか。
この森の奥深くにまで入り込み、モンスターとかも一応いるのにほぼ無傷であり、気配が人外、一瞬にしてその場から姿を消すような魔法の使用・・・・どこが怪しくないと思えるようなところであろうか。
とはいえ、その場でツッコミを入れるには危険性もあるので入れることができなかったので、その者がいなくなってようやく彼らはツッコミを入れることができたのであった。
・・・ツッコミ気質は全員にあるようだ。
ツッコミを 放置できない 気質かな
一句変なものが読めました。と言うか、これツッコミをする人全員に共通するか。
直接会合するのはまだもう少し経ってからか。
・・・あれ?もともとここまで来た目的って何だっけ。