162 密林?
今回はどちらかと言えば説明があるかな回
「バッホーンの群れと遭遇せずにたどり着いたな・・・・」
バッホーンの群れに遭遇することもなく、アルは以前「セブンズブレス(木)」によって密林になった元砂漠地帯へと訪れていた。
こういう森の中にこそ、動物の群れとかが隠れていそうだからである。
一応ギルドの方で聞いてみたところ、この密林の事はすでに他国も知ったようだが特に手を出すような輩はいないらしい。
なぜなら突如として砂漠が森になったことは普通に考えてもおかしく、警戒しているのだとか。
ま、いきなり出てきた森に警戒心を抱かない方がおかしいであろう。
・・・・・・原因は俺ですがね。セブンズブレスって使いどころを間違えるとかなりやばくなるのはよく理解できた実験例としては良いんだろうけどさ。
強すぎる力も考え物である。
まあ、そんなこんなで森の中に入ってみたけど、結構動植物が住み着いているようだ。
「元々の生態系が戻って来ただけなのか、それとも偶々流れ着いてきた者だけなのか・・・・」
熊とかはまだわかる。でも、なぜ魚が宙を泳いでいるんだ?
目の前をぷかぷか漂っているようなでっかいマンボウっぽい奴を見てそう思った。
寝ているのか鼻ちょうちんだしているし・・・・なんだこいつ。
「『鑑定』」
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「スカイマンボウ」
空を漂うマンボウそっくりな魚のモンスター。別名「平和の象徴」。
味としては最悪だが、愛嬌ある姿が癒されやすい。のんびりと空を漂い、眠くなったら手ごろな場所に着陸して低空飛行で寝る。
子供が偶々寝ていたスカイマンボウに乗って遊んでいて、起きたマンボウが空に子供を乗せたまま登って危うく大事件となりかけたことがある。
なお、このマンボウが眠る場所は居心地が良い場所という条件が限られており、いるのならそこは平和でいいところだという証拠になる。
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そこは鳩とかが平和の象徴になるだろうけど・・・・まあ、この密林がなかなか平和そうだというのはよくわかった。
起こさないようにそっとはなれて、森の中を探索する。
「『鑑定』で調べまくって見ようかな」
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「デザートン」
豚のようなどこにでも適応して住みつける「チェンジトン」と言う種族の進化したモンスター。
砂漠が突如として森に変化したのだが、適応して現在進化の途中。もうすぐで「フォレストン」となる。
何処にでも住みつけるように適応していくため、スライムたちにとっては影のライバルともいえる。
「トレント」
切り株がモンスターとなった植物型モンスター。森林に住み着き、地面に根っこを伸ばして周囲の様子を探る。土壌の栄養分が豊富であればおとなしく、枯れ果てた土地だと希少性が荒くなり人をも襲う。
頭の方に生えている葉っぱは緑色であれば傷を治すのに効く薬草へ、赤ければ下痢などの症状を引き起こす毒草となる。
「グランドカブト」
カブトムシのような見かけの大きな虫型モンスター。
重そうな見かけだが、実は紙よりも軽いので飛行して移動する分には困らない。越冬をして4年に一度繁殖期を迎える。幼虫時代は2週間ほどで、すぐに成虫となる。土壌の栄養分が多いほど巨大化する。現在の記録では最低1メートル、最大で5メートルほど。条件が合えばさらに巨大化の可能性を秘めている。
・・・なお、この森では7メートルで2メートル分のの記録更新。
「フォレストウルフ」
森に住み着く狼のモンスター。体色は保護色となり、森の中ではかなりの相手となる。
毛皮を求めていく冒険者も多いが、連携がものすごくうまく、翻弄されて返り討ちに遭うこともある。
豊かな森に生息し、その数によってどれだけ森が豊かなのかがわかる指標の一つともされている。
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「森の状態が分かりやすい奴らが多いな・・・」
というか、どれだけこのセブンズブレスによって生まれた森が豊かなのかがよくわかる。
基準とかはきちんとあるようで、それによるとこの森は超・豊かな森だそうだ。
生態系ピラミッドとかいうのが理科で習った記憶があるけど、それの階層も多いようで、物凄く綺麗なサイクルができている。
どんだけ豊かな森だよ。木の実とかも豊富なようだけど、後でしっかりと回収してタウンの方で栽培しておこう。
「にしても、なーんか妙だな・・・」
木々の隙間とかがきれいに手入れされているような、そんな印象がちょっとある。
自然とこうなっただけなのか、それとも誰かが手を加えたのか・・・・里山みたいな感じ?
まあ、とにもかくにも夕方ぐらいまでは散策して見ようかな。
森の中、異世界、人間以外もいる。
さて、これで連想するものと言えば・・・・・