154 前兆
始まりを見せるかのような感じ・・・
SIDEエーゼット王国のとある町
エーゼット王国に数ある町で、今異変が起きていた。
「あらららん?なんか品数がほとんどないわね?」
「すいません、どうも予定していた商品が別の商会に買い占められたようで、商品がほとんど手に入れにくいんだよな」
街中にある商店にて、品物を買いに来た奥さんが店の品を見て首をかしげたのを見て、店長が説明した。
・・・・この日、どの店も品数が極端に減っており、ほとんど無に等しいような状態であった。
予定していた商品がすべてなにかしらの商会などに買い占められて品薄状態になっていたのである。
ただ、何もかも入りにくくなっていたことだけは確かであった。
そして、この町だけではなく、エーゼット王国内全てで同様の事が起きていた・・・・。
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SIDEアル
「ぬぅ・・・・・」
「ふふふふ・・・あがりよ!!」
「あー!!また負けたぁぁ!!」
ゴーレムタウンのファーストの屋敷にて、神龍帝のアル、ラン王女、アリス姫の3人でババ抜きをしており、アルが3回連続で負けていた。
ババ抜きは転生者の誰かが昔に広めたのか、この世界にはすでにあった。
なので、ためしにちょっとアルがやって見たのだけれども・・・・・負け続け。
いや本当にね、ズルも何もせずにきちんと実力で勝負をしているんだけど全部負けているんだよね。
カードが合わず、やってみてもそろわず、悲しいことになったよ。
チートみたいなモンスターに転生して以来の初めての敗北感だよ・・・・泣きそう。
「あー・・・アル、すみませんですわ」
「いや、別に良いんだけどね・・」
「アルにも苦手なものがあったのね・・・」
この後、神経衰弱、ポーカー、ブラックジャック、大富豪・・・・・・その他もろもろやってみたが、すべてアルはアリス姫たちに負けた。
神龍帝にも、意外な弱点と言うか弱みはあったようである。
・・・・「創造魔法」とかでトランプ系のゲーム必勝出来るのを作製するとか、スキルとかでその系統に強くなれるものをコピーしてと言うのがあるけどそれを使うと確実に負けを認めた感じになるからなぁ。
アルはそう考えながら、一時的にエーゼット王国の事を考えないようにしていたのであった・・・・。
・・・後半、シリアスが苦手でついついアルSIDEで遊びたくなった。
やはりこういうシリアスなシーンは大の苦手である。
ちょっとずつ滅びの道を見せていくエーゼット王国。次回王城サイドをやります。
ついでにアルの方でもシリアス中和のために茶番も予定しています。お笑い要素が欲しいと切実に思う。