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149 そこはやはり譲れない

シリアスはこの作品だと本当に無理だわー。

今回思いっきり前回の反動が出たな。

・・・エーゼット王国の動向をアルはゴーレムたちに探らせることにして、とりあえず今はラン王女の安全確保のためにゴーレムタウンへの引っ越し作業を進めていた。


「というわけで、どのあたりに一時的に住みたい?」

「広すぎてどこから言えばいいのやら・・・」

「あきらめましょう、この人ってこういう方ですから・・」


 何やら結構失礼なことを言われたような気がする。別にいいけど。




「ゴーレムタウンで、今の時期なら農園区画のあたりかな。牧場区画は現在ヤヴァイからね」

「え?・・・何かまずい事でもあったのですか?」

「・・・バッホーンっているよね」

「「ああ、なるほど」」


 その一言だけで、アリス姫たちは察してくれたよ。



 今は夏と秋の・・・秋の方にちょっと寄ってきている時期だ。


 そして、牧場にはバッホーンの群れがいてミルクを取っているのだが、これがまた問題がある。


 バッホーンたちの繁殖の時期は秋ごろであり、この頃になると気性がやや粗くなってくる。


 完全に繁殖期になると闘牛状態になるそうで、それはそれで見てみたいけど危険そうなんだよな。


 念のためにシーホースたちとも隔離させていて、その繁殖期に備える準備をしているのだ。


 そして、最近見に行ってみたけどどうやらメスの方が気性が激しくなるようで、この牧場で唯一のバッホーンの群れのリーダー兼オスのボルドが、人だったら顔真っ青になっているような状態になっていた。


 通常のバッホーンはメスの方が少ないのだが逆ハーレムなるものを作るらしい。


 けれども、この牧場はオス1頭メス20頭の通常のハーレム状態。


 けれども、習性的にオスの奪い合いへと発展する様で野生の勘で逃げたいらしい。


 しかも、種族は違うのにボルドに惚れているらしいシーホースの群れのリーダーであるユニコーンのプラチナまでもが参戦するそぶりを見せている。



「と言うわけで、お前一頭のためだけの争いだ。よかったなぁモテて」


 そう声をかけてやると、物凄く首を横に振って拒絶をするボルド。牛のようだけど、しっかりとこちらの言葉が分かる模様。


 そして、物凄い涙目になっているのもよくわかる。



・・・・ボルドがんばれ。他のオスが野生にいないかちょっと探してみたのだが、どうも勘が鋭いのか隠れてまったく見つからん。骨は拾ってやるから、頑張って繫栄してくれ。

 

あ、そう言う時こそゴーレムたちで探して捕らえてくればよかったか?まあもう手遅れだけど。



 ボルドの冥福を祈りつつ、手を合わせて俺はその場を去ったのであった・・・・。






 話は戻して、ラン王女の一時的な住まいのお候補として選ばれたのが・・・


「ファースト、お前の家の方でいいんじゃないかなと思ってな」

「私のですカ?マスターがそう命令するのであればいいデスヨ」


 ゴーレムタウンでまとめ役としても頑張ってもらっているファーストの家であった。


 ゴーレムなのに家を持っているというのは変かもしれないけど、一応他のゴーレムたち専用の居住区も建設されてきているんだぞ。


 スキルを成長させてモノづくりに役立ててもらったりするけど、俺のところはブラック企業じゃないからな。


 ゴーレムだってずっと活動させるのも老朽化を早めるわけだし、適度に休めるような場所が必要じゃないかと思って作らせたのである。



 その中でも、タウンの権力者でもあり、最も労働してくれるファーストの家はかなり大きくした。


 一応町長みたいな立場と言えば立場なのかな。



 と言うわけで、一旦ファーストの家にラン王女を案内する。アリス姫も面白そうだと一緒についてきた。



「ここが私の家デス」

「・・・・ゴーレムが住む家がこれ?」

「・・・・いやこれ普通の貴族でも多分滅多に住めないような物件ですよ」



・・・まあ、もう屋敷と言った方がいいような状態だからな。


 建築関係のスキルを極めていったゴーレムたちに任せたらこうなった。何をどうしてこうなった。


 一応、このタウンから取れた木々を使用しているので環境には優しい造りである。


「あ、でもトイレと風呂がないか」

「はい、そもそも私たちには必要がないデス」


 ゴーレムたちは基本的に生物とは違うので生理的現象は起きないし、お風呂に入らなくても汚れないようになっているんだっけな。


 そのため、この家にはその二つがない。


 なので急きょ速攻で作られたのだが・・・・



「・・・風呂がすんごく広くなっているんだけど」

「ほうほう、久し振りのマスターからの直接の命令で、張り切ったようですネ」


 増設された風呂は、大浴場みたいになっていた。


 お前ら張り切るのもいいけどやり過ぎだろ。


 しかも匠のこだわりで露天風呂(イメージにあるような岩が周りにあるタイプ)まで増設されていた。



・・・今度、ゴーレムたちで風呂増設業者でもやらせてみようかな。


 この余りのすさまじさに、アルもツッコミを放棄するのであった。


やはりほのぼのとした感じがこの作品に似合うような気がする。

そして、バッホーンの群れの事は置いておいて、エーゼット王国はどうなのかしっかり調べないとね。


・・・秋の話になったら、ボルドの冥福を祈りましょう。いや本当に修羅場と化しそう。

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