143 保留か
事後処理みたいなものかな
「ふぅむ・・・それだけの情報を得たアルには驚くのじゃが、その情報通りならば今回の事は・・・」
「自業自得と言うことになりますかね」
ギルドの執務室にて、アルはゴーレム諜報部隊からの情報をザップリンに話した。
1週間ほど時間が経っているということもあり、ガッバーナはすでにこの場にはおらず、また武者修行の旅へと向かった模様。
また会えるのは来年の夏祭りか、それとも何かあった時ぐらいだろうな。
話しを戻しまして、今回の事は公認モンスターとそのミッドナイト王国の上層部がやらかしたことだという結論が出た。
・・・・まあ、デッドの公認モンスター取り消しは撤回されなかったけどね。
やっぱりこれだけの大規模なことをやらかしたのは間違いないし、消えた国の住人の事などを考えると弁明の余地がないからなぁ。
「・・・しかしのぅ、国一つが消えたこの事件は厄介なことにもつながるのじゃよなぁ」
「国土の争いってか」
ミッドナイト王国が消えた範囲はかなり大きい。穢れた土地に一時はなっていたが、現在は俺のブレスのおかげでほぼ浄化完了である。
デッドの行方は不明なため、まだ浄化し切れていない地域に居るか、もしくはすでにその国から出ているかの可能性があるが、探しようがない。
一応、他の公認モンスターたち宛に現れたら倒してもいいという通告が来ているので、後は勝手にしておけばいいのだ。
・・・だが、ここで問題になってくるのがその領土である。
いつの時代、何処の国でも領土を拡張したい。
そして今回、一つの国が無くなったし、浄化もほとんどされたので残るのは綺麗になった土地だけである。・・・一部綺麗にし過ぎてそちらは使いようが今のところないけどね。
そのため、その土地をめぐっての争いが起きる可能性が大きかった。
特に、帝国とかが欲張ってきそうなのはサイトウからの連絡ですでに入手済み。
でもまあ、別にこれ以上関わっても仕方がないのでこの話はここまでにしてもらった。
なお、このルンデバラート国は領地争いには参加しない方針らしい。下手に何かやらかして戦争になるのを避けたいと議会が判断したからだとか。
結構この国の政治組織ってそこそこ優秀なのか、それとも逃げ腰になりやすいのか・・・・まあ、そのあたりはどうでもいいか。
そういえば、先ほどまだ穢れた地域が残っているみたいな言い方をしたのは、流石に全部の浄化はきついからである。
ある程度やったから、後は他が頑張ってくればと言う投げやり感満載の方針だ。ちょっとは苦労してくださいな。
こういう面倒ごとは、そのことに対して対応可能な人が当たるのが良いと思うよ。
適材適所、その言葉はまさにこういう時のためにある言葉であろう。
というわけで、今回の穢れた土地に関しての騒動は、一旦保留扱いみたいになったのだけど、やっぱり面倒ごとが来たのはまた別のお話。
やっぱマイペースでお気楽なほうが良いねぇ。領土争いとかは国の重要な人たち同士でやってくださいと思うよ。
次回あたりから、ちょっと変化も入れて見ようかな。