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128 夏祭り前日の主人公以外の話

本日2話目

主人公出番なし回

SIDEゲバルト&ラスラン


「あー、もうすぐ夏祭りの開催時期っすね」

「この時期が一番この国が輝く時だと思うのは俺だけじゃないはずだ!!」

「元気満タンっすねゲバルトっち」


 冒険者ギルドにて、夏祭り開催前日、出店業者の手伝いの依頼が出ていたので、今日は二人ともその依頼を受けて出店の設置をしていた。


 3日間続くこの国の祭りだが、毎日ちゃんと店の場所がシャッフルされるので基本的にどの店を組み立てても構造が同じようになっている。


 そのため、設置の依頼と言うのはかなり楽な方であった。



 ・・・材料を入手せよという依頼を受ける人の中には、モンスター討伐することによってしか得られない物もあるため、実は結構競争率が高い依頼でもある。


 

 ちなみに、彼らの冒険者ランクは現在Cまで上がっていた。


 去年まではFランクだったのに、1年たってCまで上がるのはかなり速い。


 実は、神龍帝・・・アルからの留守番の依頼をよく受けさせられて、それでいていろいろと他の事にも巻き込まれたりしているので公認モンスターに絡まれているなと言う同情から上げられていたりもする。


 ただ、一応実力もそのランクにふさわしいものまで上がっているので、基本的に彼らをずるしているとか言うような輩は出なかった。


 というか、神龍帝の友人という事にもなるので下手に手を出すような人もいなかったという方が正しい。



 ついでに、二人ともついに彼女ができて、来月には同時にプロポーズを行う予定であった。


 そのため、今回の夏祭りに彼女と出回ることで結婚へ向けての想いのラストスパートと言うことにするのである。


 その費用稼ぎも兼ねて、二人とも一生懸命依頼をこなしていくのであった。


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SIDEアリス&ラン



 その日、ルンデバラート国の王城ではアリス姫とラン王女が二人で着物の試着を行っていた。


 冒険者の資格を持っているとはいえ、ラン王女はジューメンダス獣人国の王女である。


 それ故、それなりの立場に立つのでアリス姫のいる城に彼女が来ても問題は特になかった・・来るだけであるならば。



 ただ、今回来た目的は・・・・アルと一緒に祭りを見るための着物の試着である。


 アリス姫もラン王女もアルの事に対して恋慕しており、互いに恋のライバルでもある。


・・・肝心のアルはそのあたりは鈍感であるとどこぞやの転生者と同じ思いはしたが。


 どことなく歯がゆく、なんとか「友人」の枠から「恋人」まで二人はいきたい。


 ならば、この夏祭りの時に一緒に回ることによってその枠まで行けるように距離を縮めようと考えて、鬼気迫る気迫で二人とも着物の試着を行っていた。


 なお、ラン王女の場合尻尾が邪魔なので、それを通すための穴をあけるのも検討している。


「この着物ならアルは喜ぶでしょうか・・」

「私たちの魅力を最大限に、かつ好印象を上げられるだけあげましょう」

「恋のライバル同士ですが・・・」

「こういう時は互に公平にあるように手を組むのです!!」



 女の戦いというものがそこで行われていて、アリス姫の母親である王妃は楽しそうに二人に着せ替えをしてあげ、父親である国王は、その気迫に押されてちょっと自室に引きこもるのであった。


 ちなみに同時刻、同じような気迫の気配を感知したラン王女の父親のジューメンダス獣人国の国王もまた自室へ引きこもったそうである。



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SIDEガッバーナ


 ・・・森の中を、公認モンスターであるデュラハンのガッバーナは駆けていた。


 頭がない愛馬の背中に乗り、ルンデバラート国の首都で行われる夏祭りに間に合うように全速力である。


 休憩を休まずに走り続け、普通の騎士とか馬であれば耐えられないであろう。


だが、デュラハンはアンデッドのモンスター・・・つまり元は死体だ。


 死体が疲れを感じるか?いや、感じないであろう。


 そのため多少の無茶でも気にせずに駆け抜けることができ、さらに通行の障害となる木々も、自身が持つ大剣によって切り裂いていき直線で駆け抜けていく。


 公認モンスターの名に恥じず、実力もそれ相応あるために彼が進む方向から感じたモンスターや野生動物たちは逃げていく。


 そのため、ある地域ではモンスターがほとんどでなくなる、もしくはおびえたモンスターが出まくるという極端な現象が発生するのであった。



「急げ愛馬オーリスよ!!」

「ヒヒヒヒヒヒーン!!」


 頭がないけど馬の鳴き声を上げるガッバーナの愛馬は、さらに加速して間に合うように野山を駆け抜けていくのであった。


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SIDEファースト


「さてと、屋台の予定も確保できましたネ」


 ゴーレムタウンでは、夏祭りの参加を決定しており、何体かのゴーレムたちが出店を出す予定であった。


 スキルも成長していき、屋台で出しても一級品と呼べるようなものを出せるほどで・・・ちょっとやり過ぎかなと言う考えはよぎったが、ファーストは気にしないことにした。


 自分たちの創造主でもあるマスターのアルの名に恥じないように、全力を持って祭りの成功をサポートしようとファーストたちは考える。


「諜報部隊から一応情報は来ていますカ」


 諜報部隊も各地に放てるほどの規模となり、あちらこちらでの情報が入ってくる。


 祭りを邪魔しようとする馬鹿なことをする輩の情報もあり、こちらで「拷問」関係のスキルを上げる材料としてやろうかとファーストは考える。



「夏祭りに、マスターのアルは王女たちと遊んでいきますネ・・・」


 ふと、アルの事を思いファーストはその場を立ち上がる、


 いったんその場の仕事を他のゴーレムたちに任せて、ゴーレムタウンにある自身の部屋へと戻る。


「・・・少しは着飾って見たほうが良いでしょうカ?」



 自身に性別はないはずで、顔立ちや構造なども中性的にされているはずのファースト。


だが、アルの作品としてその魔力などもまともに受けており、徐々に心・・・乙女心の様なものが芽生えてきているのであった。


 ただ、自身の平坦な胸を見て、アリス姫やラン王女の姿を思い出すと少しへこんだ。


「・・・もう少し欲しかったデス」


 自身を改造してと言う手段はとれるが、それは流石に何か負けたような気持を感じるファーストであった。


さてと、それぞれの思いをのせた夏祭りが始まるよ!!

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