123 ビーノさんとの話
1,2,3と綺麗にそろった感じがする。
何かそう言う掛け声のCMを連想したのは作者だけだろうか?
「うーん・・・サイズとしてはこのぐらいが良いのかな?」
現在、アルはゴーレムタウンにてゴーレムたちと共にある魔道具の開発をしていた。
「魔力電池や魔石としては低コストで済みますが、画質がこのままでは今一つかト」
「回路図の方としてはこのようなものガ・・・」
ゴーレムたちもしゃべれるようになってきているのが増えており、その手の事に関しての専門へと特化しているのでいい相談相手としてもアドバイスをもらえる相手としても優秀になってきている。
「だったらもうちょっとだけ大きくなるようにしたほうが良いのかな?重さ的には、常人だと少し重いかなってぐらいになるが・・・」
「それでしたラ、軽い材料を探しましょウ。幸いにして、最近新素材ができていますかラ」
ゴーレムたちにその魔道具の改良を任せ、とりあえずアルは気分転換に・・・・
「ザップリンさんいるかい?・・って、お取込み中でしたか」
せっかくなのでザップリンさんからも意見をもらおうとしたら、何やらお客さんがいたよ。
黒いローブを着こみ、何やら宝石を付けているけど、なんとなく金持ちとは違うようだし、魔道具な気がするな。
まあ、こういう事態を避けるためにも、あの魔道具を早く作ったほうが良いかな・・・?
「失礼、お客がいたようなのでまた後でお伺いに」
「あ、ちょっと待ってくだされアル!!」
なんかはっと気が付いたザップリンさんが慌てて引き留めてきた。
「初めーまして、魔道ギルドのギルドマスターをつとめてーますビーノというものでございます」
「初めまして、公認モンスター『神龍帝』のアルです」
とりあえず、何があったのかの説明を聞いた。
どうやら魔道ギルドの方で何かあったようで・・・・・え?空飛ぶ馬車?
・・・・あ、アリス姫に送ったアレか。原因俺かよ。
「つまり、公認モンスターであるアル殿が作成した魔道具だったーのですか」
驚きに目を見開くビーノさん。
いちいちあなたは話している最中に言葉を伸ばすんですかい。新しい変人を見つけたような気がする。
なお、過去に遭った変人とすれば・・・・・・あれ?どうだっけ?なんか街中を走って追いかけるすんごいおばちゃんを見かけたような記憶があるが・・・・・
とにもかくにも、それが今回ビーノさんがこの冒険者ギルドに来たきっかけらしい。
その魔道具に関して製作をしてほしいという人たちから大金を積まれて、出来る限り同様のモノを作ろうとしていたらしいが、製作が難航。
そこで、作成者本人に協力をしてもらってその依頼者用の物を作製してもらう事と、出来れば魔道ギルドへの登録をお願いしたかったようだ。ただし、派閥争いがあるので中立派として。
「魔法使い派閥、魔道具派閥に分かれており、今回の件で自身の派閥へ引き込みたいと思うような方たちがおり、安全のたーめなのです」
脅そうとするよう馬鹿とか、実力行使をしようとするようなあほがいるようで・・・・どこの世界でも、派閥争いってものは面倒なものだよなぁ。
「しかーし、まさかあの神龍帝が作製しーていた物とは驚きました」
なんでも、以前から俺の話はあったらしい。
人化時に使用している魔法の練度や無詠唱、その他もろもろが魔道ギルドの注目を浴びていたようで、勧誘しようかと機会をうかがっていた者たちが多かったらしい。
つまり、遅かれ早かれこういうことに巻き込まれる運命にはあったのか。めーんどくさいな。・・・あ、しゃべり方が移ったじゃん。
「・・・・言って置きますが、あのアリス姫にあげた魔道具は、俺が彼女にあげようと思って結構すごい材料もつかっているんですよ?」
嘘は言っていない。ミスリル以外にも俺の鱗や、その他もろもろ珍しいものをふんだんに使用し手作り上げた匠の逸品である。
ま、ゴーレムタウンにある材料でも実は量産は可能のようだけど・・・・これはこれで面倒ごとだしね。
お引き取り願おうか。俺の、のんびり生活を邪魔しないでもらいたい。
「ざーんねんですね。ですが、公認モンスターがおっしゃることでーすからあきらーめます」
「・・案外あっさり引き下がりますね」
そのあっさりさに正直驚いたけど・・・・これが普通の公認モンスターに対する潔さの様なものだろうか?
「えーえ、さーすがにここで機嫌を損ねては命が危なーいと勘が言っているんですよ。・・・あー、そうだー、この際ついでにひとつ先に言いますが・・・」
帰ろうとしたところで、ビーノさんはあることを言った。
それは、今後このようなことで無理にでも強制するような輩が出るだろうし、相手が公認モンスターだと知らないで、もしくは知っていても勝手に命令するような大アホ野郎が出たら、問答無用でぶっ倒しても構わないらしい。
・・・え?そんなことやっていいのかよ。
「ギルドの職員に対しての扱いは、ギルドマスターがーつけますので」
「そう言うことは可能じゃよ。扱いを決めるのはギルドマスターの采配と言うのもあるからのぅ」
ビーノさんのその言葉に、ザップリンさんも間違いないと言う。
なお、そんなことをいう目的としてはこれを機会にぼっこぼこにやられる奴が出てくれれば、改善して派閥争いをしている場合ではないと思うような人が増えるのを期待しての事らしい。
つまり、これで神龍帝にわざわざそういうことをさせようとする輩をぶっ飛ばしてもいいという許可を得たわけだ。
その扱いもこちらで決めて良いらしく、冒険者ギルドに引き渡してもいいようだし・・・・・こっちで実験に使用してもいいようである。
・・・・公認モンスターよりもさ、ギルドマスターと言う存在の方がギルド職員にとっては恐怖ではないだろうかと、ついそう考えてしまうのであった。
あ、ここに来た目的を忘れるところだった。
ついでに、面倒ごとのその一件をこちらで勝手にやらせてもらうのを許可してもらったのでビーノさんもせっかくだからゴーレムタウンに一緒に連れてきて、今作製中の魔道具についての貴重な意見をもらいました。
でも、出来るだけこれはまだ広めてはいけないようなことを言われましたよ。
まあ、もともと私用のためだけのものだからな・・・・・
さて、アルが制作中の物とはいったいなんだろうか?まあ大体読者の皆様はわかってますよね。
ついでに、魔道ギルドからの迎撃許可のおかげで、迷惑をかけてくる人は・・・・・ゴーレムのスキル成長に役立つこととなる。
面倒ごとをできるだけ避けれて、ゴーレムタウンも成長できそうで、イイ感じかな。