121 効果はあり過ぎたようだ
本日2話目
120にて登場していた最後の方・・・予想としては結構あるみたいですね。
「第3皇子が旅に出た?」
「ああ、間違いない。皇族の籍を抜けてどこかへ旅立ったようだけど・・・・アル、お前何をしたんだ?」
「んー・・・まあいろいろとな」
帝国のギルドにて、アルはサイトウに第3皇子の近況を聞いて、そのことに少し驚いていた。
「話とか聞く限り、思慮がやや浅いし、平凡なのところがあるからこの際その平凡さを際立たせて、無能と言うわけでも有能と言うわけでもなく、影の薄い存在にさせるような工作をちょっと行ったんだけど・・・効果はあり過ぎたのか」
別に物凄い悪人と言うわけでもないし、せいぜい帝位継承争いから離脱させる程度にと思っていたのだけど、まさか旅に出てしまうとはなぁ。
うん、予想はつかなかった。精々このままおとなしく引っ込んでいくとおもったのだが・・・まあいいか。
この時点で俺は第3皇子に対してのことはどうでもよくなった。
・・・ここまでの事をするために、実は今回の諜報部隊を利用してこっちでも作ってみました。
ゴーレムたちにも同様に諜報部隊へ特化した者たちを創り上げ、スキルを成長させて超一流のものにしたんだよね。
見た目は忍者風にしてちょっとそれっぽくなったかもしれん。
まあ、今回のように工作を行ったり、情報操作や入手は元々諜報部隊として当然でもあるし、よく漫画やアニメで忍者は戦っているが、そういう正面からの戦闘向きじゃないからなぁ。
一応「暗殺者」「工作員」と言ったスキルがあったもんで、それなりに形にもなったし、今回のような使い方以外にも、商売とかでも役に立つだろう。
ゴーレムたちの商売だが、今のところいい感じになってきている。
けれども、妨害や類似品で低品質などを仕向けてくるような嫌がらせも出てきそうだからね。
諜報部隊によってその情報元をつかんだり、逆にこちらから仕向けることができるようになるだろう。
後先考えても良い部隊ができたと思える。・・・ただね、ファーストよ。なんでわざわざ女性型のものまで作っているんだ?え?色仕掛けを想定したものか?
とにもかくにも、これでしばらくは面倒ごとは来ないだろう・・・・・多分。
「ついでだし、他の皇子たち全員にも万が一の時を備えて対抗策でも練っておくかな」
「オーバーキルになる可能性があるし、一応そんなやつらでも俺の親族だからやめてくれ・・・・嫌がらせができるならちょっとしたいけど」
おい、本音が漏れているぞ。そういえばこいつは前世から悪戯が好きなところがあったな。
まあとりあえず、自宅へと俺は戻った。
あ、捕らえていた第2諜報部隊の皆さんですか?ギルドから王国へと引き渡し、そこから帝国へこのような者たちを忍ばせてきたことに対する抗議と慰謝料を吹っ掛ける交渉材料にされているようです。
なにせ、下手すれば俺がそこで暴れる可能性もあったからな。その恐怖をしっかりみっちり抗議して帝国にわからせてほしいところである。
後日、他の皇子たちの何人かが皇帝の命令によって継承権争いから弾き飛ばされた者がいたらしい。これで次期皇帝は第1王子が確実なものになったらしいけど、それはまだ当分先だそうだ。
・・・翌日、自宅にアリス姫とラン王女が遊びに来た。
同時に来ていたけど、なんかちょっと火花が見えたのは気のせいかな?
ま、とりあえず2人ともいつも通りの平和な会話をして、ついでにそのことも話してみた。
「そういう権力争いって、面倒ごとが多いのが本当に嫌だよな」
「そうですよ。でも私たちの方にはないですね」
「ルンデバラートは王家に権力があるわけでもないからそう言う争いが起きることはないし、ジューメンダスは権力以前に実力主義なところがあるのよねぇ」
要は、どっちも権力争いは特に起きない。いや、ジューメンダスの方は実力での争いが起きるのか?
「そういうのがある国は、ほっとけばいいんですよね」
「こっち側に要請させれても困るし、ねぇ」
お互いに王女として思うところがあるのか、通じ合っているのかうなずき合う二人。
まあ、平和が一番だと俺は思うのであった。
なお、諜報部隊はやっぱりかなりの役に立つようで、ファースト曰く「商売での売り上げ上昇」「悪徳商人成敗率向上」など起きているそうだ。
・・・成敗率?え、何をやっているんだろう。聞くのがちょっと怖いなおい。
自分が作り合えた作品のその手の付け方に、俺は驚愕を覚えたのであった・・・・。
でも、使い方としては正しくもあるから別にいいか。すでに数多く生産されて各国に忍んでいるようだけど・・・いざってときには頼りになるし大丈夫だよね。
さてと、そろそろ作品内では真夏となるけど、海にすべしか山にすべしか、それともアララン共和国での騒動にするか・・・・・・ネタがまだまだ出てきそうである。というか、そろそろ別視点での人物の話である閑話を製作したほうが良いかな?