011 初めての首都
首都説明多めかな
結論、意外にも・・・
「空間転移の魔道具ならありますよ」
「え?あるの?」
案外あっさり解決した。
というわけで、その魔道具を貸してもらうことにして、日帰りで首都に向かうことにした。・・・というか、今更気が付いたというか、よくよく考えたら全速力で飛んで・・・ソニックブームが起きて危険か。
なお、どうやら固定型しかないらしく、あの盗賊みたいな・・・盗賊だったやつらに襲われていた時に使用できなかったのはそれが原因だそうだ。固定ということは「どこで○ドア」みたいな感じかね?違うか。
「とはいっても。神龍帝の姿で飛んでいきたいけどな・・・もしくはこの人化した姿で」
「首都の近くは結構人が集まっていますからね・・・下手に騒ぎになるのも嫌でしょう?」
そういうわけで、現在俺はアリス姫の馬車に乗っていた。
まあ、アリス姫がギルドマスターに仲介手続きをしてくれなければいけないからな・・・どうしても同伴してもらうことになるし。
念のため、ヒヨコたちの安全のために出発前に「神龍帝の威圧」を周囲に発動させた。
これで危険な動物などは寄ってこないはず。
「おー。あれがこの国の首都か」
「はい、ルンデバラート国の首都のランダナムです。あの中心部にあるのが、私が住んでいるルンデバラート城ですよ」
そこそこ西洋風のお城か。外壁はちょっと白っぽい青色名だけど。
しかし、首都の近くまでこの森広がっているな・・・。
「この森って本当に広かったんだな」
「ええ、切り開こうとするたびに多くのモンスターが出現し、阻まれてしまう『開けぬ森』なので、放っておかれるうちに今ではここまで広がってきているんです」
「なるほど・・・」
首都自体はどうやら大きな城壁でぐるりと囲まれている感じだ。
モンスターがやってきた時に侵入を拒む物でもあり、また戦争になったときに要塞としての役割も持つそうだ。
まあ、俺が人化を解いて暴れたら簡単に壊せそうだけどね。絶対やらないけどな。多分。
首都に入れるのは、東西南北の4つの門からだけらしい。
並んでいる人が多いのは、検問しているからだとか。
まあ、一応飾りのようなものとはいえ王族であるアリス姫のこの馬車はパスできたけど。
次ここに来るとしたらあの列に並ぶのか・・・・
「おー、にぎわっているなー」
馬車から覗いてみると、多くの人でにぎわっている。
森の中で生活していたからここまでの人の多さは新鮮だな。
「この国の首都ですので、人口は他の都市に比べて一番多いんですよ」
なお、この首都は門に合わせて東西南北で一応区画が分かれているのだとか。
今入ってきた森がある方向の東側区画は、冒険者ギルドや冒険者たちの宿泊所がある冒険者区画。
正反対側の西側の区画は、商業ギルドやその他商人たちが経営している店がある商行区画。
北側の方にあるのは、この国の議会の議員たちが住んだりしている議会区画。他の都市を治めたりしている貴族たちがそこに泊まったりしているので別名「貴族区画」。
王族は城に住んでいるので、そこに住んではいないのだが・・・・結構極端な人が多いらしい。いい意味でも、悪い意味でもある人たちが。近寄りたくはないなぁ・・・
で、南の区画はスラムとか孤児院が多い、貧しいスラム区画だそうだ。
ただ、近年改善が進んできてだんだん商業区画と冒険者区画が混じった感じになってきているのだとか。
「で、今向かっているのは冒険者ギルドっと・・」
「そういうことですよ」
みれば、鎧を着た人や、斧を背負っている人、魔法使いなのか杖を持っている人、手甲で固めた武闘家っぽい人などがいる。
王族の馬車はそこまで目立つほど派手ではないのだが、どうやらそれなりには目立つようだ。
みている人が多いのが確認できる。
「・・・これってさ、俺がギルドに入ったら絡まれることってあるのかな?」
「私がいるので一応大丈夫だと思いますが・・・絡んでくる人がいてアルの機嫌を損ねてあたり一面が焼け野原になるのが怖いですね」
「そこまでしないよ」
人を・・・いや、神龍帝をなんと思っているんだ。ん?人化しているのだから人って言い方でもあっているのか。
ともかく、俺達が乗った馬車はギルド目の前にまで来た。
「意外にも大きそうな感じだな」
でかい二階建ての屋敷みたいな感じだな・・・いや、2軒の家がくっ付いているのか?
片方が酒場らしく、もう片方が本当にギルドだそうだ。
ここで馬車を降りて、俺はアリス姫と共にギルドの中に入った。あ、護衛の騎士も3人ほど一緒だよ。
中に入ると、まさにこれぞファンタジーのギルドって雰囲気はあったけど・・・
「なんか人が少ないな」
「朝早くと、夜遅くが一番混むので・・・」
なんでも、クエストとか言う依頼書があって、その争奪戦が激しいから朝早くから来る人の方が多いのだとか。
何はともあれ、絡まれることなく俺たちは受付の方に来た。
受付の人全員女の人だけど・・・・あれか、冒険者たちの意欲を上げるためにか。
「おや、アリス王女様がここに来るとは珍しいですね」
受付嬢の人は、どうやらアリス姫の知り合いの御様子。
そういえば、俺はアリス姫って呼んでいたけど王女って肩書の方が正しいのだとか。
まあ、このまま呼んでも構わないと言われたし、このままでいくけど。
「本日がどのような用件で?」
「ギルドマスターに会いたいのですが、よろしいでしょうか」
「ギルドマスターですね。それでしたらいつでも良いそうなので2階の執務室へどうぞ」
というわけで、俺達はギルドマスターに会うために2階に行くのであった。
テンプレはまだ出せないな・・・