113 商売開始
短めかな
ダーイフクさんとの商談がまとまって数日後、アルは再び商業ギルドに訪れて、ダーイフクさんに最終的なゴーレムたちが作った製品の輸送方法について話していた。
「『転移魔法』を応用した魔道具で直接ここに届けるという方法でいいでしょうか。この方法でならば、安全かつ迅速、大量に品々を届けられますので」
「そのような方法があるのですかぁ。その方法ならば盗賊とかに襲われる危険性がなさそうですが・・・・そのようなことができるならば、このギルドにもいくつかその魔道具をおろしてほしいものですねぇ」
「あー・・・ちょっとこれはこちらでしか扱えないような物ですので、スイマセン」
某猫ロボのドアと違って決まった場所にしか行けないし、犯罪に使用される可能性もあるからまだ限られた用途にしか使えないんだよな。
とりあえず、その魔道具を見せることにした。
亜空間収納から取り出すは、マンホールのふたの様な造形をした板である。
表面には模様として俺製のモノだとわかるように、自身の鱗を小さくしたものをところどころに貼り付けて、それ自体も動力源となるようにした。
ここであのポケットから道具を取り出す時の音が欲しくなるけど、残念ながらまだ楽器関係には手を付けていないので、演奏不可能。いつか絶対にそれやってみよう。
「『転移板』」
まあ、ちょっとふざけて言い方はまねてみました。ルビじゃわからんけど。
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「転移板」
2枚一組セットの特殊な魔道具。片方の転移板の上に何かを乗せると、もう一方にそれが送られる某猫ロボドアの劣化版の様なものである。
セットなので決まったところのやつにしかできないが、大きさや重さ高さに関係なくいろいろ転送できてしまうのである。
ただ、ただ現在のところ人間の移動で使われる予定はないので、生きたものは転送できずその場に残る。
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なので、これで行き来ができる動けるものはゴーレムだけになるかな。
まあ、商品などの取引はこれからはゴーレムたちに一任するわけだし、それ用のゴーレムはすでにファーストが開発済みである。
出来るだけに人に似せつつ、不気味の谷現象が起きないギリギリの感じで製作された商人ゴーレムなどが、稼働を今か今かと待ち望んでいるのである。
悪徳商人とかが出ないように商人ギルドの情報も内蔵して確認し、評判や内情なども調べてから取引をするようにしているので安全対策もばっちりだ。
と言うわけで、神龍帝作製のゴーレムの作成した製品などがついに販売され始めた。
今のところ、ラインナップとしては日用製品が多いので、生活向上に役に立つようにしつつ、武器とかの販売はまだ行っていない。
やっぱそのあたりは鍛冶師とかのこだわりやそういう物があるからね。調整しつつ、うまい事既存の商売をしている人たちと付き合っていけたらいいなと思ってます。
なお、儲けなどは別に使い道としてはないので、ダーイフクさんを経由して慈善事業関係に出してもらってます。あ、でもゴーレムの部品の材料代とかにも使えるか?改善する際に試すためにその辺の製品も使用してみることがあるからね。
とにもかくにも、どうやら商売は成功して行っているようであった。これで無駄とか無くなるかな?
後日談
税金についてだが、公認モンスターは出す必要性がないのだが、商売のほうは商業ギルドにそのお金を納めて、そのお金は国の税金となって取られていく。
アルのそのゴーレムたちの利益から得られたお金は多く、その分国の税収が増えたらしい。おかげで城壁の修理や、街道の整備費用などが増えてより国が豊かになってきたのだとか。
・・・思わぬ副次効果だったな。