112 商業ギルド
本日2話目
3種類あるギルドの1つです。
ギルドには、何時もザップリンさんがいる冒険者ギルド以外にも2種類ある。
そして、本日アルはその片方の商業ギルドに訪れていた。
首都の商業区画の中心部にある商業ギルドは初めて訪れるが、とりあえずザップリンさん経由ですんなりそこのギルドマスターをまずは面会をする。
・・・一応、あらかじめザップリンさんに聞いてみたところ、実は過去にも公認モンスターが商業を行った時があるそうだ。
で、それが結構成功しており、今では一大商会として有名な商会となり、日々売り上げが向上してるのだとか。
どんな公認モンスターがその商会を作ったのかは気になるが、今はともかくこちらが優先であった。
「初めまして、ザップリンさんの紹介の元、ここに来ました公認モンスター神龍帝のアルです」
「こちらこそ初めましてぃ、うちはこの商業ギルドのギルドマスターであるダーイフクです」
執務室に入り、挨拶をすると、ここのギルドマスターであるダーイフクさんが出迎えてくれた。
名前がどう考えても大福を連想するのだが、見た目はふくよかではなく、鍛えている感じがした。
先に少々調べたところ、この人は商売人として成功し続け、今ではここのギルドマスターの座を得たらしい。
清廉潔白、愛想よく、商売繁盛をモットーにしており、悪い噂とかは聞こえてこない。
むしろ、各地の慈善事業に儲けた金で寄付をしているそうである。賄賂とかはないしね。
「本日は、神龍帝殿が何か商売を起こすらしいと先に説明をいただきましたが・・・何をいたすのでしょうかぃ」
「一応、俺が直接ではなく、ちょっとそのゴーレムたちが起こすこといなるものですが・・」
「ほぅ、ゴーレムとなぁ」
その発言に、ダーイフクさんはきらりと商売人としての目を輝かせた。商売に関して、物凄く目利きが良い人らしく、儲け話ならすぐに勘が働くらしい。・・・あとでこの人のスキルもコピーさせてもらうか。
「~~~~と言うわけですが」
「なるほどぅ、神龍帝殿のゴーレムたちが創り出す製品を、こちらに卸していただけるということですかぁ」
持ってきたサンプルなどを出しで説明をし終えた後、どうやらダーイフクさんの脳内では物凄い速さで計算が行われているようであった。
どうすればより儲かり、双方の利益を引き出せるか。
どうすれば、商売に関するトラブルを防げるかなどの考えがものすごい速度でめぐっているようだ。
と、素早くダーイフクさんがどこからかそろばんを取り出し、計算をし始める。
・・・本当は、すでに魔道具には電卓に似たようなものがあるらしい。
だが、ダーイフクさんは己の計算をしっかりするのを信条にしているようであった。
「・・・なるほど、これは物凄い話ですなぁ。うまいこと行けばかなりの儲けですが・・・・既存の商会などにも影響を与えないようにして行くとなれば、そこそこ抑えられてしまいますよぅ?」
「まあ、元からある既存の人達にも影響を与える可能性があるので、そこまで儲けが重視ではないですかね」
正直なところ、儲け話よりも製品の消費を目的としている。作って蓄えるだけと言うのももったいないし、ならば安くても売って人の方に流したほうがいいかもねと思ったのである。
・・・ま、原材料費を考えれば実はほとんどゴーレムタウンでの自給自足で出るので、かかっていないのだからぼろ儲けにはなるのだが。
「儲けよりも、既存の心配ですかぁ・・・・いいですねぇ」
ダーイフクはギラリンと目をより輝かせる。
儲けを出すのは商売人にとっては大事だが、目の前にいる公認モンスターは、その儲けよりも他に対しての心遣いをしているのだ。
普通なら、その程度の甘い考えではすぐにつぶれる人が多いだろう。
だが、目の前に説明のために置かれたサンプルは質が高く、既存以上のモノであるのだ。
そのような考えでも、確実に生き残れるだけの品々であり、今も改良が進んでより向上の可能性があるというのだ。
儲けは別にいいという感じであるならば、安く売ってもすぐに人々が買い求めてきて、結局は繁盛するだろう。
また、相手が公認モンスターであることも考慮して、人間にはない発想なども期待できる。
「いいでしょう、我が商業ギルドでこれらの品々を扱いましょう」
ダーイフクはここですでに結論を出した。
これは、確実に商売としても成功し、将来性が超見込めるものなのだ。
ここで食いつかねば、商売人ではない。
この後、アルとダーイフクは互に取引について話し始めるのであった。
あ、実際の商品の輸送とかは、ちょっと考えていることがあってね・・・・・・さすがに毎回俺が持ってくるというのもできないし、ここはこの間考え付いた輸送手段でな・・・・・
輸送手段としては、確実かつ手早いものですよ。