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108 新たな生き物

盗賊たちを利用する方法として結構あるなぁ・・・・

一応、犯罪奴隷とかって制度もあるけど、利用できるうちに利用したほうが良いのかな

 泊めてもらったお礼を言い、カンラン村からアルは出た。



 今日はとりあえずもう少しだけ旅をしてから、自宅に戻る予定である。こういう旅と言うのも趣味にしてみるのも悪くはないかもしれない。


 神龍帝の姿で飛ぶとかなり速く進むけど、歩きで進んだほうが良いかもと思い、人化した状態のまま適当に赴くままに歩いていた。




・・・・こういう時ってさ、普通ならモンスターに襲われそうなものだけど、全く姿を見かけない。


 というか、ノウサギ一匹すらいないんですけど。


 

 俺が原因で逃げているのかなと思いつつ、とりあえずちょっと落ち込みながらも歩く。


 






「お、今日初めての動物発見」


 しばらく進んでいると、今日初めての獲物もとい動物を見つけた。


 見た目は大きめの牛の様なものだが、「鑑定」によるとどうやら無害人畜のモンスターであった。牛じゃないんかい。


 よく見ると、角が牛でなくトナカイの様なものだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「バッホーン」

牛のようで牛でないモンスター。体内にはモンスターであると示す魔石があるが、基本的に穏やかな性格で人畜無害である。しかし、秋ごろに繁殖期を迎え、その時期は荒くて大変危険でもある。なお、メス1匹にオスが10匹の逆ハーレムと呼ばれるような形成の群れをその時期に作ることが確認されている。

メスなら年中ミルクをとることが可能だが、100分の1体の確率でしかメスがいないためそのミルクを得るのにはやや難易度が高い。肉は食用には可能だが、余りのまずさに非常に不向きである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ミノタウロスね・・・確か、牛頭の怪物だっけ。


 でも、このバッホーンがどこをどうしたらそのようになるのだろうか。それはそれですごく気になる。


 ただ、どうやら目の前にいるやつはオスらしく、ミルクはとれないのが残念。しかも食べられないというのがなぁ。




 で、とりあえず放っておこうかと思って歩いていたんだけど・・・




てくてくてくてく


「ん?」


ピタ



てくてくてくてく・・・・


「んんん?」


ピタッツ




 ・・・なんかついてくる。


 いやもう、こちらがだるまさんが転んだの様に見たら止まって、こちらが歩き始めたらバッホーンも付いてきて歩き始める。なんだこいつ?



「何か言いたいのか?」

「モッホーン」


 牛の鳴き声にしては、微妙感たっぷりの鳴き声を出して、まるで「ついてきてほしい」みたいなそぶりを見せるバッホーンのオス。



 何かあるのか気になったので、とりあえず案内されるままについていってみることにした。


 これで何もなかったら、まずくても焼肉にしてやるからな。






「モッホーーーーン」

「モッホーン」

「モモッホーン」


「・・・・群れか」


 ついていった先には、多くのバッホーンの群れがあった。


 全部で20頭ほどか?


・・・あれ?でも鑑定の結果と食い違うところがあるな。


 ふと思って全員鑑定して見ると、どれもメスである。


 連れてきたオスを除く20頭すべてがメスであり、100頭中1頭の確率なのに多すぎないか?



 が、よーく見るとどれもが怪我をしており、ひどいものでは足一本ないものがいる。


「もしかして、お前はこいつらの手当てをしてほしかったのか?」

「モッホン」


 思いついたことを述べると、俺を連れてきたそのオスは「そうだ」と言いたげな鳴き声を上げ、頼み込むかのように首を垂れた。


 野生のか、もしくはモンスターの勘としてか、治療をしてくれそうな人を探していたらしい。


 しかし、メスが少ないはずのバッホーンのメスがここに集まっているということは・・・人為的なものを感じ取れる。


 もしかすると、こいつらを利用した農場とかが近くにあるのかもしれない。そこから逃げ出してきたとか?




 まあ、とにもかくにもこいつらの治療を俺はすることにした。見捨てておけないしな。


「『回復魔法(ヒール)』」


 この程度なら簡単に治せる。足がない奴は流石にその部分の再生はできないけどね。何か義足でもあればいいんだが。



 そんでもって、全員が感謝を示すように鳴いた。



 とりあえず、オス1メス20という特殊な群れだし、一旦俺はこいつら全員をゴーレムタウンに転移して持ってきた。


 一応農場区画を速攻でゴーレムたちに作ってもらい、そこに放牧する。


「モッホーン」

「モホホホーン」


 全員広々とした農場で喜んでいるようである。


 まあ、こいつらがなぜこの群れを形成していたのか、困ったときのザップリンさんに聞きに行ってみることにしたのであった。


・・・このままここにいてくれれば、乳製品を生産できそうだしね。

あれ?バッホーンのオス1頭、メス20頭・・・・このオスだけハーレム状態だな。

しかし、なぜ本来はこの逆の状況になるはずなのに、どうしてこうなっているのだろうか・・・・

ザップリンさんに聞いてみよう!!困ったときの相談役としてはいい人だしね!!

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