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106 カンラン村だって

魔法って便利だなぁ・・・・

 砂漠地帯を密林へと変貌させた翌日、アルは久々に今までに行ったことのない場所へ適当に飛行していた。


 「転移魔法(テレポート)」があるので、1度行ったことのある場所であるのなら、いつでもどこでもそこへ行ける・・・・今回はそれを利用したのだ!!



 ある程度進んで、なにもなかったらかえって、翌日にその場所へと転移魔法(テレポート)してしまえばまたそこから進むことができるのである。



・・・まあ、いちいち転移魔法(テレポート)を使うのもどうかと思うけどね。


 この際だから、某猫ロボの便利なドアみたいなものを作製してみようかな・・・・・どこにでも行けるわけじゃなくて、一度行った場所につながることになるけど。流石にあのドアには負けるな。





 と、考えていると何やら香ばしい匂いが漂ってきた。



「ん?」


 人化して、魔法で透明化して気が付かれないように降りて確かめると、どうやら何か村のようなものがあって、そこからに旨そうな匂いが漂ってきているのだ。



 とりあえず、公認モンスターとしてではなく、ただの旅人の振りをして村にはいってみた。


 こういうところって、何かと面倒ごとがありそうだからね。正体を隠していたほうが良いもんよ。



 村の中に入ると、どうやら中央広場みたいなところにでっかい鍋がでーんと鎮座されていた。



 ぐつぐつと煮込んでいる音が聞こえ、まるで鍋パーティーである。規模でかいけど。


 周りを村人たちが囲んでおり、皆何か楽しそうな雰囲気であった。




「おや、旅人さんか?」


 俺の事に気が付いた村人のおっちゃんが話しかけてきた。


「ええ、まあそのようなものですが・・・この村にたまたま立ち寄ってみましたが、なにをやっているんですか?」


 一応言葉遣いも丁寧にして聞いてみる。


「ああ、今日はこの村・・・カンラン村の成立3周年祝いでな、村の全員で祝うことにしようとして、このような巨大鍋を囲む祭りになったんだよ」



 全員でと言うことで、鍋の準備や具、材料などを用意するのに3日はかかったらしい。



 このあたりを治めている領主の人も許可を出しており、ついでに自身の経営がうまくいっているためのアピールついでに豪勢な材料も出してくれたのだとか。


 動機が微妙なところもあるけど、一応悪い領主とかではないようなのでまあいいか。


 とにもかくにも、部外者ではあるのだが、俺もこの村の祭りに混ぜてもらうことにした。




 巨大鍋は村人全員が3杯以上食べられるだけの量があるようで、俺が加わっても大丈夫だったようである。


 ・・・・なんか田舎のロケ番組みたいな感じがするけど、せっかくなので楽しむことにしよう。



 配られてきたおわんとお箸を手に取り、よだれを拭きつつ、俺は食材をいただくために列に並ぶのであった。


 ついでに、亜空間収納に少々入れておいて、後でまた楽しめるようにもしておこう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あの村が襲いやすそうな村だというんだな?」

「はいでありんす!はっきり言ってどうやら祭りをしているようで、今夜襲えば油断しまくっていると思うでありんすよ!!」

「ふむ、とりあえずお頭にさっさと早めに報告しに行くぞ!!」

「了解でありんす!!」



 カンラン村から離れた場所で、そのような会話がなされていた。


 二人組のその男たちは、彼らのお頭の元へ行って今夜襲撃をかけることを提案し、お頭の人物はそれに乗ることにした。


 ただ、彼らの運命はすでに決まってしまっていた。


 この村に、まさか公認モンスターが訪れていようとは・・・・・知らなかったのであった。

フラグと言うかなんというか。

未来が見えている光景をなんていうべきだろうか。


・・・まあ、普通はモンスターが村に襲撃をかけるとかはまだわかるだろうけど、村人に混じるというのは予想が付きにくいんだろうね。

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