101 盲点だった・・・
ゴーレムタウンを覗いてみよう
「うーん?」
現在、神龍帝ことアルはゴーレムタウンに久々に訪れて、「料理人」のスキルが付いたゴーレムが作ったラーメンを食べていたのだが・・・・
・・・・微妙である。
「いや、おいしくないわけじゃないけど、なんだろうか・・・・?」
例えで言うならば、お願いした物を買ってもらったら、タイトルが違うパチモンみたいな感じ。
「お気に召しませんでしたカ」
どこか残念そうな顔で、このゴーレムタウン始まりのゴーレムであり、案内役でもあるファーストがそう言った。
うん、顔とかの造形もだいぶできてきて人っぽくなってきた感が出てきたな。言葉もまだ機械音声みたいなところがあるけど、だいぶ良くなってきている。
ゴーレムたちはそれぞれのスキルを成長させ、自身をさらに改良したりしており、ファーストもより優れたゴーレムを作るために、自身を改良しているのである。
ただ・・・・いまゴーレムタウンの「料理人」のスキルがついたゴーレムたちがいる区画にていろいろな料理を食べてみたけど・・・今一つだな。
「スキルは『2流シェフ』や、『大衆食堂のおばちゃん』などと言ったそこそこのモノになっているのが多いのに、味がそこそこではないのはなぜだ?」
スキルとか関係ないものがあるのだろうか?
他の区画のゴーレムたちも見て回ったけど、何処も優れた者になっているのだが、やはりこの飲食物を作る区画だけが今一つなのである。
「・・・・あ、そうか。もしかしてゴーレムだから味覚が違うのか」
ここで思い当たったのが「味覚」。
触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚といった感覚は一応ゴーレムたちにはついているのだが、味覚だけがどうも違う発展を遂げているらしい。
まあ、味の好みなんて人それぞれだからと言うのがあるけど・・・・そこが原因としか思えない。
と、言うわけで速攻で改良を行った。まあ、改良と言っても舌を引っこ抜いて、甘い、辛い、酸っぱい、苦い、渋い、などといった感覚をより細かく正確に判断できるようにして戻すという作業だけどね。
・・・言葉だけ見れば恐ろしい事のような気がするけど。
あ、ゴーレムに舌があるのは今の味覚以外にも、発音用や、アッカンベー用。アッカンベーはふざけてつけたけど・・・使う機会はあるのかな?
とりあえず、味見を行えば改善はされるはずである。
このまま改善せずにほおっておいたら、今一つな味のモノばかりを製造していたことになるだろう。
早い段階で気が付いてよかったな・・・・取り返しがつかないレベルまでなっていたらあかんて。
チュドォォォォン!!
「ん!?」
なんか一軒が爆発した。
原因はどうやら、まだ改良が済んでいないやつが作ったのを自ら味見をしたらしい・・・・・
・・・被害を防ぐために、他のゴーレムたちの味覚改良をしておくか。
ちなみに、爆発料理を作ったゴーレムのスキルを「鑑定」で見ると『ジャ○アン越え料理人』と言うスキル名となっていた。
・・・この世界にジャ○アンはいないでしょ!!スキルの「鑑定」が勝手につけたなこれ!!
あっているようだけど、この「鑑定」自体もそうとうな変わり者になってきているよね!?
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『ジャ○アン越え料理人』
もうすでに、あの激マズの奇跡の料理人を超えている物を作製した時に付くスキル。
その効果は未知数であり、100兆分の1の確率で激ウマな料理を作れるが、ほとんどの場合味覚どころか体を破壊するという恐怖の料理を作ってしまう。
このスキルを所持することは、料理人としては「死」を意味するものであり、この世界に所持している人は少なからずいたりもする・・・・・・。
こういうスキルとかもレア度とか書いたほうが良いのかな?
まあ、この『ジャ○アン越え料理人』と言うスキルは絶対に手に入れたらいけないやつだけど。
・・・・嫌がらせに使えるかな?もしくは拷問用?