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100 ちょこっと過去話

100話達成!!

なので、記念として転生前のアルの話です!!

これはまだ、俺が神龍帝というモンスターではなく、人間の高校生「神無月(かんなづき) (ある)」として過ごしていた過去話である。

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「明日からいよいよ夏休みかー・・・」


 高校2年の夏、俺の通う高校で担任教師の葉鶏頭先生、通称「ハゲちゃん」による夏休みの説明が行われていた時、窓側の席にいた俺は窓の外を見ていた。


 はっきり言って、こういうつまらない説明を聞くのは嫌である。


 いや本当にね、高校1年の説明だけでも飽きているし、そもそも非行とかに走るわけがないじゃん。


 高校生は自由だと言いたいがそれでも宿題は出るものは出るし、しかもめんどくさいことに夏休み中でもちらほら出席しなければいけない時があるってなんやねん!!


「おい神無月!!思いっきり声が出ているぞ!!」

「あ、やべっ!!」


 途中からどうやら声に出ていたようで、心の叫びが筒抜けだったようである。


「つまらないとかいうのは自分でもわかっているが、堂々と心の中を言うのは感心せんぞ!!」

「結構最初の方から聞かれていた!?」


 激怒するハゲちゃん。


 額に血管が浮かんでおり、ちらほらかみの毛が抜け落ちる。


 うん、近いうちに真のハゲ先生と進化するであろう。いや退化なのか?


「いい加減、きちんと話を聞け!!」


 体罰は今の世の中禁止されているのに、わざわざ出席簿を机から出して、俺の頭めがけて振り下ろしてきた。


「よっと」


 まあ、かわすけどね。


「おい!!かわしたら意味がないだろうが!!」

「痛い目に見るとわかっていて、わざわざやるやつはいますか?」


 ぶんぶんとたたこうとして出席簿を振り回すハゲちゃんだが、全く俺には当たらない。


「せんせー!神無月にそれで189回やってすべて避けられてますよ!-!!」

「さぁ!!今回もハゲちゃんがスタミナ切れになるか!!神無月が当たってしまうのかの賭けがスタートだ!!」

「今のところ189回中、189回神無月の勝利だ!!」


 クラス内でノリの良い奴らが勝手に実況解説をし始めた。


 ハゲちゃんVS俺のこの出席簿バトルは1学期から何回も行われており、いつもハゲちゃんのスタミナ切れで俺の勝利となるのである。


「神無月!!今日はこっちは負けんぞ!!なんせさっきこうなると思って栄養ドリンクを飲んできているからな!!」

「ドーピングで俺に勝てるかな!」


 ひょいひょいひょいっとつぎつぎと出席簿アタックを俺はかわしていく。


 


 昔からそこそこ勉強も運動能力も俺は高く、このぐらいなら楽勝である。




 結局、20分ほどでハゲちゃんのスタミナ切れでこちらの勝利となった。・・・いつもより5分長いな。ドーピング効果で5分だとしたらまだまだだね。





「あっはっはっは!!やっぱやるな神無月は!!」


 下校時、友達である高山(たかやま)がその話しを聞いて笑った。


「ハゲちゃんこれで1学期中は神無月に勝てずに勝負は持ち越しってわけか。ひでぇねぇ!」


 ちょっと笑い方がおかしいこちらは同じく友達のメカオタクである柿眼(かきめ)だ。


「いやもう、これでハゲちゃんいい加減にあきらめればいいんだけどなぁ」

「大体、頭脳明晰容姿端麗、武道とかもそこそこできるお前に挑むってのがハゲちゃんの間違いだぜ!」

「それ言い過ぎだと思うけどな。大体、容姿端麗とか言われても俺モテたことはないぞ?どっちかと言えば柿眼がオタク仲間に異常にモテているじゃん」


 いや、狂信者に信奉される対象となっているというべきか‥‥‥考えないほうが良いかも。


「いや、それはモテているのとは違うぞ!!」

「だいたい神無月、お前本当に自覚がないんだな」

「へ?」


 二人に半目になられて、ちょっときょとんと俺はした。


「お前って結構裏ではモテているんだぞ。そりゃもうクラスの男子が嫉妬の念を出しそうなぐらいにな」

「そうなの?」


 そんなのはっきり言って聞いたことがないんだけどな。


「だがな、影のドンとか言われるお前のファンクラブ、通称『メガヤンデレ部隊』が気が付かれないように始末しているって話だ」

「なにそれこわっ!?」


 メガがあるならギガやテラもあるのかな・・・・



「しっかしなー・・・夏休みになっても、特にやることがないしな・・」

「夏休みの宿題は?」

「さっきのハゲちゃんとの格闘中に机の方にちらほら手を入れていただろ?」

「え、俺は見えなかったんだが」

「あ、こっちは後ろの席だから見えたけど・・・・あ!!」

「わかったか?こっそり高速でよけながら書いていたんだぜ!!まあ、半分しか終わっていないけどな」

「お前そういうハイスペックなところがあるのに、よく無駄遣いができるよな・・・・」

「いいんだよ、そういう才能とかはな。俺のゆっくりとした生活に要らないしなぁ・・・」


 とつぶやくと、二人がはぁっと息を吐いた。


「これが無駄遣いしている人が言えることか・・・・・」

「もったいないよなぁ・・お前の欲望ってほとんどがそののんびりとした生活を送りたいという想いに昇華されているんじゃないか?」

「否定はしない」


 

 言われたとおりのような気がする。


 昔からものすごく欲がない奴だとか言われているからね。まあ、今のこの世の中平和でゆっくりとした生活の方が、お金やそういうことよりも価値があるのだと思えるんだけどな・・・・




 そう空を見上げて、考える高2の夏であった・・・・・。










 一方、高校の職員室では。



「くそっつ!!今日も神無月に負けた!!」

「まあまあ、葉鶏頭先生。落ち着いてくださいよ」

「本当なら体罰で問題になりそうだけど、神無月が『俺に当てられないから別に訴えなくても大丈夫じゃない(笑)』とか言っているからまだ教職員の職にありつけているからね」


 荒れている葉鶏頭先生に、回りの同僚たちがなだめる。


(くっそ・・・こうなったら、この際スイカでも投げつけての指導を・・・・・)


 しかし、心の中で燃えている葉鶏頭にはその言葉が届かなかった・・・・・

・・・何かとフラグが立っていたような気がする。

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