009 ちょっと料理1
ちょっと料理描写挑戦
かぁーん!! かぁーん!!
今俺は、ある物を作成している。
「ピヨ?」
「ピピピ?」
「あー、ピヨ吉、ピヨ美は離れていて。ちょっと危ないから」
「ピヨ!」
「ピピ!」
俺の言うことが分かったのか、可愛いヒヨコたちはちょっと俺のそばから離れて家の隣に増設した鳥小屋に戻った。
現在、俺はある物を製作していた。
「創造魔法」があるので別に困るわけではないのだが、加工とかして自分で作ってみたいなと思ったのである。
「あとは・・・水で冷やせばよかったんだっけ?」
半ばうろ覚えながらも、じゅわぁぁぁぁぁぁと音を立てながら、俺はソレを水で冷やした。
「研磨は魔法だよりかな・・・」
さすがに全部魔法抜きではできないのがなんか職人魂的な部分で残念だけど、やっと出来上がった。
「うん、見事な『フライパン』だ」
そう、料理器具を俺は製作していたのである。
今までは魔法で調理していたけど、こうやって器具を使用して調理したほうが面白いからね。
ちなみに、鉄製ではなく自前の鱗製である。
単純にガンガンやって加熱して柔らかくして形を変えて無理やり作ったのだ。
鍛冶屋もどき的な事一回やってみたかったんだよね。形を変える際には自前の鱗で叩きまくったけど、これも後で鍛冶用のハンマーに形成するつもりだ。
若干形がいびつだが、よくできたかもな。
「『鑑定』」
どんな出来になったのか気になったので、ひとまず鑑定してみた。
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「神龍帝のフライパン」
星4クラス道具。神龍帝の鱗によって製作された神龍帝作のフライパン。加工されて材質が変化し、熱を通しやすくなった。
調理の際に、手元部分に熱が伝わらないようにもなっている。鱗で出来ているので汚れが付かない。
・星クラス
道具に着く等級で、1~5の5段階評価。星数が多いほど物凄くすぐれた道具である。しかし、星5評価の道具は極稀にしか手にはいらない。
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「おー、汚れが付かないってのは洗うときに楽かも」
焼いたときとかひっくり返しやすくなるかな?
ついでなので、包丁も作成。
ちなみに、鱗は自分でぷちっと抜いたけど早く再生しているからね。回復力というより再生力すごいな。
とにもかくにも、料理してみるか。
まずは、フライパンを温めるために焚火を作って火をおこし、フライパンを支えやすくなるように理科の実験などで使った三脚のようなものを土をいじって作成。
そこにおいて、火でフライパンを加熱する。
油がないのだが、ここは肉の油で我慢しよう。
「お次にこいつをっと」
「亜空間収納」に保存していた肉を取り出す。
ついこの間、森の中をヒヨコたちと散歩中にヒヨコを狙ってきた獣をぶっ倒して解体したものである。
牛のような豚のような・・・「鑑定」してみると『バピッグ』とかいう野生動物で、モンスターではなかった。
「鑑定」によると、牛と豚の肉の性質が合わさったものらしい。
食えるようなので今回使用しますか。
まずは半分に分けて、その半分をフライパンの中に入れて、ここで湖からの水を少々入れる。
そこへふたをして蒸し焼きにする。
なお、水は念のためにいったん沸騰させて消毒していますので安全な水です。この湖自他は綺麗だから必要性はないみたいだけど・・・まあ、気になるからね。
蒸し焼きにしている間、畑でとれた野菜をきれいに洗って刻む。
さすがというかなんというか、包丁の切れ味がものすごくよくてみじん切りが楽しい。
で、残った肉もついでにひき肉にする。パン粉とかがないので今回は似た性質を持った「パパパン」の身を使用。これはどうやらすりつぶすことによってパン粉と同じようにできるみたいだ。
野菜も混ぜ合わせて、空気を抜く。
肉が蒸し焼きに出来るまでまだ時間がかかるので、ふたを少し開けて投入。
蒸し焼き肉と、野菜ハンバーグ・・・・もう一品欲しいな。
「そこで、本日取り出したるはこちらの食材です」
湖の底に潜って見つけたでかいエビのようなものを茹でてだしをとる。
だしをとったらそのエビは細かくして収納しておく。まだ使えそうだしね。
亜空間収納に入れれば腐らないしね。
で、出しにこちらは野菜を投下して野菜スープとする。
調味料がまだあまりないからね・・・・醤油とか塩とか、味噌が欲しい。
スープができたと同時に、肉も完了。
木を切り倒して、削って作った木の食器に添えて出来上がり!!
・・・・なお、スープだけがまずかった。「鑑定」してみたところよく見るとゆでる温度設定があった。これ間違えたらあっという間に激マズになるとか・・・・・ひでぇ・・・
まあ、他はおいしかったです。
まだまだ改善の余地ありそう。料理描写ができている人たちの作品はほんとにすごいですよね・・・
改めて実力不足を痛感した。