朝陽が照らしだした青空
真っ暗だった空も、目を瞑って開けた次には明るくなっている。
いつもよりも少し長く寝られた気がする、体が少し軽い
下の階の厨房から、目覚めの香りと食器の音が聞こえてくる。
二階にもらった私の部屋は、広いとは言えないけど、全然十分でレオンには感謝してもしきれない
月波「おはよう、レオン、エルナ」
こっちの世界に来てから初めての朝だ、昨日のことはしっかりと覚えてる、楽しかった
私の夢がかなったし、たくさんのお客さんとお話しするのも楽しい
私どうして、普通のIT企業なんかに勤めちゃったんだろう…もちろんやりがいのある仕事だったし、仕事自体は嫌いじゃなかったのだけど…
レオン「月波よく眠れたかい?うん顔色悪くない、朝ごはんもう少しでできるから、まっててね」
月波「うんありがとう、手伝うよ」
なんだか、レオンってイケメンだよね…こっちの世界に来たという衝撃で頭いっぱいだったけど…
レオン、なんだか少し悪そうな感じも、私の好みだし、声もめっちゃ好き…
いやまぁ、彼女とかいるんだろうけど…まてまて彼女いたとしたら私たちを家兼カフェに入れたりしないか
つまりフリー!チャンスあるのでは?
月波「あのさ、レオン…」
レオン「どうした?」
月波「…彼女とかいる?」
レオン「ん?いやいないし、いたことないね、俺モテないからさ」
月波「嘘だぁ、だってめちゃくちゃイケメンじゃん…」
レオン「ははは、月波は面白い子だね、もしくは差別のない世界戦から来たのかな?」
差別?こんなイケメンに差別するなんて…ひどい!私がそんな世界変えてやる
月波「ごめんね、私差別のこと知らなくて、本当に差別のない世界戦から来たから…」
レオン「そうなのか…じゃぁ教えてあげるよ」
月波「いや!苦しくなるならいいんだよ!」
レオン「いや話させてくれ」
この世界には国ごとの所属場所があってね、俺の場合は一番くらいの低い階級層に生まれたんだ。
そういう人たちは上級階級から差別される、もちろん今はそういうことはなくなってきたけど、今でも根強く差別は残っていて、このお店に来るような人は差別しないけど、外に出るときは気を付けないといけない
月波「…どうやって低い階層の人だってわかるの?」
レオン「首元のこれ、どうやっても消せない特殊なインクで彫られてるんだ」
首元にはシンデレラと書かれている、灰かぶり姫という意味でついているのだろう…
月波「そうなんだ…ありがとう教えてくれて、私はそんなの許せない…だってこんなに…こんなに…」
レオン「月波は優しいね、ありがとう、あっ!ほら朝ごはんできたよ食べようか」
明るく斜陽の入るカフェで食べる朝ごはんは少しだけ、味気なく感じてしまった