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はじまりの その七

ステータスオープン、なんてするんじゃ無かった。

私は自分が生まれたばかりのアリの幼虫よりもザコだって知ったのだ。


ピープピープピープ。


うっせえな。子供を地獄に落としたチュートリアル魔法が!!


私はやさぐれていた。

けれど、この騒々しい音がクロジクアリを呼ぶ音になっては困ると、私は嫌々ながら目の前に現れたお知らせを読んだ。


「このチュートリアル魔法注入型魔導具には数々の機能があり、初心者冒険者にはスマートかつホントに役立つスマホと言えましょう。お困りでしたら、まずスマホです。今回はどの機能を選択しますか?


 1、オートマップ機能

 2、クエスト確認

 3、ステータス管理・確認

 4、薬草辞典

→5、モンスター辞典

 6、魔法辞典

 7、武器・防具辞典 

 8、鑑定機能        」


どうして、最初から選択用矢印がモンスター辞典に固定されているのだろう。

最初から必要なデータを出しておいてよ!!

私は苛々しながら、矢印を指さしながら、五番、などと声にも出していた。


たぶんどころか、アイザックはモニターしているのだ、私を!!

殺す、絶対殺す。お兄ちゃん私を止めないで。私あいつ殺せない。


アイザックへの殺意を決めた私に答えるようにして、黄色の画面が切り替わる。

次に現れたのはクロジクアリの説明だ。


「クロジクアリ

 地中に巣をつくり、巣外の生物を捕獲して巣に引き込む。

 卵を産むのは女王のみで、女王は卵を産む為だけに存在するために攻撃力も無 

 く足も退化している。クロジクアリで危険なのは毒針を持ち攻撃力の高い働き 

 アリだけである」


「にゃるほど。勝機は女王にあるのか。マップかもん!!」


クロジクアリの説明文が消え、その代わりに出現したのはクロジクアリの巣のマップだ。ただし全容では無い。オートマッピングならば私が歩いた場所だけだからだ。だが、私が繭で運ばれていたルートは、しっかりとマッピングされている。


ここは第三層で、私達は女王の部屋を通ってから育児室へと運ばれたということなのね。そうね、女王が産んだ卵を育児室に置かなきゃなんだから、女王の部屋がここからすぐそこなのは当たり前、か。


「よし」


私は繭の糸を巻く仕事に戻った。

この繭は盾にもなるから全部解かないけど、足を出せるぐらいに緩く、女王と戦う時用に腕も出せるようにもしなければ。

はっ、赤ちゃんを抱いたままじゃダメじゃない。

ええと赤ちゃんを私の背中に括りつけられる紐を作ろう。

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