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「……さて、話を戻そうか。とにかく私と鎌実くんは命を狙われている。だから、君に頼みがあるんだ」
「それが……髪を切って欲しいということですか」
正直、今の話を聞いて何故あたしが髪を切らないといけないのかが見当もつかない。
「このままだと宵子ちゃんも、危ないんだよ」
「あたし……ですか?どうして?」
何故そこであたしが危険になるのかが分からない。あたしこそ部外者の筈なのに。
「実は九条家は奉日本家と繋がっているんだ」
「えっ!?うちの家が、ですか?」
そんな話、聞いたこともない。確かに両親の羽振りは良かった……気がする。ブランド品とか身につけていた気もするし。何処からそんなお金が出ているのだろうと思っていたけれど、まさか奉日本家に援助して貰っている……?
「……私も詳しくは分からないんだけど。君、家族から相当酷い扱いを受けていただろう?どうやら奉日本家は君に消えて欲しいと思っているみたいでね、家族からの虐待も……恐らくそのせいじゃないかな」
……何それ。
つまりあたしが今まで虐待を受けてきたのって……あたしを自殺に追い込みたかったってこと?
奉日本家からの命令だから、あたしをここまで虐め抜いたってこと……?
「何それ……何なの……!?その為にあたしは兄に……ううっ」
……気持ち悪い。
兄にされたことがフラッシュバックし、あたしは思わず口を押さえる。だめ……吐くかも。
「ごめん、辛い話を聞かせてしまったね」
「……どうして。どうしてあたしは奉日本家に消えて欲しいと思われているんですか……?」
「……っ、それは……私にも、分からなかったんだよ。分かったのは奉日本家が君をねらっていることだけで」
「じゃあ、あなたも奉日本家じゃないですか」
吐き気をぐっと堪え、相手を見つめる。会長さんだって奉日本家……しかも、次期当主だ。
「……そうだね。私だって、奉日本家だ。だけど私個人としては君を助けたいと思っている。……君は私にとって、大切な人だから」




