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シン・ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第十一話 晴臣と宵子
96/153

11-1




「いやああああああーーーーっ!!!!」


……時は、あたしが会長さんに誘拐されたところまで遡る。




「ち、ちょっと!そんなに叫ぶほど嫌なのかな!?」

「い、嫌です!髪を切るのは嫌です!!」


彼が取り出した銀色の刃物とは……ヘアーカット用の鋏だった。

その瞬間、何をされるか理解したあたしはめちゃくちゃに暴れ回る。


「嫌!ブスは顔見せるなって言われる!!」

「うーん、まさかこれほどとはねえ……。私も女の子の髪を切るなんてことはしたくないのだけれど……そうしないと君と鎌実くんが危ないから」


……その言葉を聞いて、背筋がゾクリとなった。


「……それ、どういうことですか」

「……うん。これは君には話しておくべきかもしれない」






「そもそも、ちゃんとした自己紹介がまだだったね。私は奉日本晴臣。奉日本家の次期当主さ」

「え、ええええええっ!?!?」


今まで謎だった "会長" の正体が……まさか、奉日本家の次期当主!?


「ち、ちょっと待ってください!というか、動揺し過ぎて今まで忘れてたんですけど!そもそも会長さん、寺本明臣さんにそっくりじゃないですか!」

「ああ、そうだね。明臣……アキは私の双子の弟さ。彼の方が小綺麗にしているから見分けがつかないほどの容姿ではないと思うけれど」


これで色々納得がいった。 "会長" があたしの改造計画をほぼ無償で行えたのは奉日本家の人間だから。常磐さんがいつも「これだから奉日本は」と言っていた理由も、寺本さんが奉日本家主催のパーティーに参加出来た理由も。


「ちなみに君とダンスをしたのもアキじゃなくて、私だったんだけどね」

「ああ……!やっぱり……!」


あの時感じた違和感はこれだったのか。二人は入れ替わっていたんだ。


「……ん?ということは、寺本さんの父親である幸臣さんは会長さんの父親でもあって……つまり、あの人って奉日本家の現当主さんなんですか!?」

「ふふ、大正解!あの時は父さんが悪いことをしたね。すぐに助けに行こうと思ったんだけど……鎌実くんがかっこよかったから任せちゃったよ」


確かに、あの時助けてくれた常磐先輩……かっこよかったなあ。思い出して思わず頬が熱くなる。……ってもう!大事な時に何考えてるの!




「……でも、何で入れ替わりなんてしたんですか?そもそも、これがどうして常磐先輩が危険なのか……分かりません」


確かにパーティーの時、先輩と幸臣さんの間に不穏な空気が流れたのは確かだけど……その理由が分からない。


「そうだね。君にとっては突拍子もない話かもしれないけど……聞いてくれるかい?」

「は、はい」


もう既に、あたしにとっては突拍子もない話の連続だ。だからこれ以上驚くような話なんてないと思って頷く。

……まあ、その考えは会長さんの次の一言で全てひっくり返されてしまうのだが。












「……私と鎌実くんは、父さんから命を狙われている」




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