表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シン・ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第十話 銭湯へ行こう!?九条皐月の正体とは!
95/153

10-9




「「……っ!?」」


耳を塞ぎたくなるような破裂音が2回して、二人して思わず顔を顰める。


「2回……!先輩伏せて!!」


鳴ったのは恐らく銃声だ。お前に言われなくとも伏せるつもりだった。だけどお前が急に抱きついてくるから伏せられなくて。


「……っ!」


もう一度音がしたかと思えば、俺に縋りつく九条皐月の身体の力ががくんと抜け、更にこちらにもたれかかってきて。……少し、重い。


「お前、いい加減に……っ!?」











──────なんだこれ。





赤い。どこまでも赤くて───────











「か、鎌実さ……ん、大丈夫、ですか……?」

「…………………は?」

「……ふ、ふふ……よ、よかった、あたし……守れて……」

「……っ! "あたし" って、お前、お前……まさか、」


……意味がわからない。


撃たれたのに、お前は何故笑っているんだ。




わからない。意味が、


……いや、違う。本当は気づいていた。何故、気づけなかった。




馬鹿な奴だと思った。


面白い奴だと思った。


可愛い奴だと思った。






いつの間にか、俺は彼女のことが……好きだった。






「……サヨ!!!!」






今度こそ守ると誓ったのに。


何度も。何度も。何度も。






「有り得ない……サヨ……サヨ……」


……守ると誓った?そんな記憶は俺には無い。

悪魔(アイツ)だ。こんな時に乗っ取りやがって。

このまま放っておいたら九条が。くそ、九条はお前のじゃない。九条はサヨなんかじゃない……!!


「鎌実くん!!」


……奉日本晴臣だ。どうやら相当焦っているらしい。今回ばかりはコイツも計算違いだったか。そんなことよりお前がさっさと出てこないせいでサヨが。……違う、サヨじゃない!!


「し、知らない……こんなルートは今までになかった……有り得ない……」

「ルート……?鎌実くん、君はまさか……」




……意識が、悪魔(アイツ)に持っていかれる。


駄目だ。サヨ……






九条─────────…………






第十一話に続く……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ