8-1
「ん……んん……?」
目が覚めると、あたしは知らない場所に居た。
「え……ここ、何処なの……?」
そもそもあたしは何故ここにいるのだろう。
というか、いつ眠ったのだろうか。確か常磐先輩とデートして、 "会長" の奉日本さんと出会って、彼についていって……そこからの記憶がない。
「やあ、お目覚めかな」
「……!?誰……!?」
背後から聞こえてきた声に身構える。
「私さ。奉日本晴臣だよ」
「あ……」
味方がいると知って、緊張が解ける。それでもまだ自分の状況は全く理解出来ていないのだが。
「あ、あの……ここって何処か分かりますか……?あたし、何でこんなことになってるかさっぱり分からなくて。というか、奉日本についていってからの記憶が全く無いんですが……」
「ああ、それについては心配しなくてもいいよ。少し君を気絶させて、私の隠れ家に連れてきただけだから」
……前言撤回。
どうやらこの人は頼れる味方ではなく、敵かもしれないらしい。
思わず再度身構えたあたしを見て、彼はクスクスと笑った。
「あたしを、どうするつもりですか」
「……ごめんね。本当はこういうことはしたくなかったんだけど……仕方ないんだ」
話が読めないし、どうするつもりだと言う質問に答えていない。内心恐怖を感じながらもあたしはもう一度問いかけることにする。
「あたしを……どうするつもりなんですか」
「うーん……こうするつもりかな」
そう言って彼が取り出したのは……銀色の、刃物だった。
「……!!」
咄嗟に逃げ出そうとするが、立ち上がれない。
「無駄だよ。薬が効いていて動けないだろう」
「そ、そんな……!!」
「本当は君が気絶している間に済ませたかったんだけど、起きてしまったから仕方ないよね。本当にごめん。出来るだけ、君を傷つけるような真似はしたくなかったんだけど……これは仕方のないことなんだ」
「し、仕方ないって……!仕方ないって何ですか!」
「そのままの意味だよ。ごめんね、出来るだけ痛くないようにするから……」
「ま、待って……!いや、嫌です!!」
「いやああああああーーーーっ!!!!」




