7-3
……ついに日曜日が来てしまった。
あたしは手紙の "会長" に指示された通り、一人の男子をちゃんとデートに誘うことに成功した。勿論部員なので "会長" から連絡は受けていたらしくすぐに了承してくれたけど。
「なんか……まさか自分が選ばれるとは、って感じの反応だったんだよなあ……」
嫌だっただろうか。嫌だったのに "会長" からの指示に逆らえなくて了承するしかなかったのだろうか。だとしたら、申し訳ない。
だけど、あたしがデートしたい人はもう……彼しか思い浮かばなかったのだ。
チョロい女だと思われてもいい。あたしは彼のことが……
「……早い。いつから待ってたんだ」
「ふあっ!?」
まだ待ち合わせ時間の30分前なのに声を掛けられて、思わず飛び上がってしまう。
「……アホなのか?流石に早過ぎる」
「せ、先輩だって、待ち合わせ時間の30分前ですよ」
……あたしが相手に選んだのは、常磐先輩だった。
だって、男子の中で一番関わってるのって常磐先輩だし、そもそもあたし達は恋人の振りをしているのだ。彼以外をデートに誘ってしまうともしデートの途中に他のクラスメイトに見られたらややこしいことに……
……ううん。ここまで来て、自分の気持ちに嘘をつくのはもうやめよう。
あたしは常磐先輩のことが、だいすき。
自分に素直になった瞬間急に恥ずかしさが込み上げてきてしまったが、逆に腑に落ちて、落ち着けたような気もする。
「九条、お前……」
「よし!さっそくデートに行きましょうか!」
目を隠していた髪を上げて、笑顔を見せる。心は、不思議と晴れやかだった。




