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「……まあ、詳しく考えるのは止めておきます。それで、今回の内容はどんな感じなんですか?」
正直、前回のパーティーでなかなかに怖い思いをしたのでコミュ障を直す的な内容は避けたい。
「それなんだが、俺ァ……字が読めねェ」
「ええ……読めないんですか」
流石のあたしでも字くらいは読めるのでここは堂々と口出しさせて貰おう。
「馨……いや、ある女に習ってるんだがなかなか難しくてなァ。平仮名くらいは読めるようになったんだが」
「そ、そうなんですか……」
「カタカナも少しくらいは読めるぜ。えっとこれは…… "デート" ……だな?」
「へえ……デートですか……」
……って、デート!?
「ど、どういうことですか!?」
もうあたしが直接読んだ方が早いと思い、黎一郎さんの手から手紙を奪い取る。
そこに書かれていた内容は……
《いよいよ宵子ちゃん改造計画も最終段階へと突入した。
最後の任務……それは、次の日曜日までに宵子ちゃんが今までに関わった男子の中から一人を選んでデートに誘うこと。そして、デートに誘った男子と日曜日にデートをすること。
今まで改造計画で色んな男性と接してきた君にならできると信じているよ。
それでは、よきデートになる事を祈って。
よろず部名誉会長 奉日本晴臣》
……と、いうことらしい。
「そもそもこの手紙、明らかにあたしに宛ててますよね!?」
「そうなのかァ?漢字ばっかだから読めねェや」
あたしの家に届いたんだから、多分最初からあたし宛だったんだろうと思う。あたしはスマホも持ってないし、この部屋は "会長" さんが用意してくれたものだから、あたしの居場所を知ってるのも当然だし。
でもそれ以上に内容がとんでもない。あたしが関わった異性の中から一人選んでデートしろって!?それってまるで乙女ゲームみたいな展開じゃない!?
だけど乙女ゲームだったら好感度が必要な筈。いや、現実でだって好感度は必要だと思うけど。
でも、これってつまりよろず部の部員の中から選べってこと……だよね?あたしが関わった男子って彼らくらいだもの。だから誰を選んでもデートは成立するように "会長" が仕組んでいるんだろう。
確かに彼ら以外の男子ともある程度は関わってきてるけど……それだとそもそもデートが成立しないだろうし。
「……何て書いてあったァ」
「なんか、改造計画の最終段階みたいですよ」
「あァ、それかァ……。で、お前さんは誰を選ぶんだ」
……やっぱり。部員は全員聞かされてるっぽい。
だったら誰を選んでも大丈夫なんだろう。だからこれは、あたしの意思で誰とデートをしたいか選べと、 "会長" はそう言っているのだ。
「そう、ですね……。あたしは……」




