表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シン・ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第六話 タワマン暮らし!?泊めてくれって冗談ですか!?
58/153

6-12




……時を同じくして別の場所では。




「……久しぶりだね、父さん」

「相変わらず不快な笑顔だなお前は」


珍しく父さんが本家へと帰って来た。いつもは愛人の元に居て、こちらには滅多に来ないというのに。


……それはつまり、私に何か用があると言っているも同然だった。




「前置きは良いよ。私に何か用なんだろう?」

「……ふん。その余裕ぶった態度も私をイラつかせる」

「そうかい。父さんに似たんじゃないかな」


私はにっこりと笑って告げると、父さんは不快だと言わんばかりに舌打ちをした。あまりにも分かりやすい。


「あまりお前と話していたくないのでな、用件だけを言おう」


最初からそうすれば良かったのに。私達は親子の会話を楽しむような関係では無いのだから。






「……九条宵子を、始末しろ」






……うん。そういうことだろうと思ったよ。


きっと私が既に彼女と接触したことも、父さんにはバレているんだろうね。まあ、隠したところで意味は無いと分かっていたから、挑発の意味も込めて堂々と接触してやったんだけどさ。


確かに九条家はうちの家系の血は継いでいるけれど、それほど血は濃くない。それどころかほぼ他人レベルに離れている。


そんな家系の女を始末しろなんて、普通なら言う訳無いよね。だって、彼女と父さんには何の接点も無い筈なんだから。








……まあ、彼女が "本当に九条家の娘なら" ……って話なんだけど。








真実を知る為に、私は敢えて自分の動きを父さんに見せつけてやったんだ。




《バレた》んじゃない。




敢えて、《バラしてやった》のさ。










彼女を、堂々と消す為にね。










「お前は奉日本家次期当主となる男だ。甘えは捨てろ。……出来るな?」


父さんの言葉にとびきりの笑顔を顔に貼り付け、返事をする。


「九条宵子を消せばいいんだね。……出来るよ」


さて……父さんからの許可は出た。

後は、彼女に会いに行くだけ。






「やっと "俺" として出会える。楽しみだなあ」



















「……✕✕ちゃん」








第七話に続く……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ