表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シン・ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第五話 いざ!コミュ障克服パーティーへ!
42/153

5-6




「ど、どうしましょう……?」


とりあえず壁際に移動し、小さくなっておく。

うう、とにかく早く帰ってきて……!




「……?あの娘は、まさか……」


あたしは壁だと念じ続けて5分程やり過ごした頃だろうか。一人の男性がこちらを見た。


(あ、あたしは部外者です……!こんな場違いなところにいてすみません……!!)


なるべく目を合わさないようにしていたつもりだが、その男性はこちらへと近づいてくる。

勿論あたしはその人のことは全くと言っていい程知らないし、相手もあたしのことを知っている筈がない。ああ、やっぱり場違いだって怒られちゃうんだろうか。




「……君は、」

「す、すみません!場違いな女がこんなところにいてすみません!あ、あたしは、寺本明臣さんに連れられて来ただけなんです……!!」


とりあえず寺本さんの名前を出してみた。するとそれは正解だったのか、男性の表情は少し柔らかくなる。


「そうか……明臣の友人だったのか。勘違いしてしまってすまないな」

「い、いえいえ!あたし、どう見ても怪しいですから!こちらこそ勘違いさせちゃってすみません!」

「私は明臣の父の幸臣(ゆきおみ)だ。あいつはあまりに女っ気がないものだから親としては心配でね……まさか君のような女性の友人がいるとは。少し安心したよ」

「あ、で、でも!あたし別に寺本さ……明臣さんとはそういう仲って訳じゃなくて……!」

「そうなのかい?それは少し残念だな。あいつは少し変わっているところもあるが、良い奴だぞ?」


こ、これはもしかして寺本さんのお相手に……って誘われてる!?

ここで断るのも失礼な気がするけど、でも、そもそもあたし、寺本さんとは今日初めて出会ったばかりだし……!!




「……そうだ。まず、君の名前を教えて貰えないか?名前も知らずに息子を勧めるなんて……色々と順番をすっ飛ばしてしまったな」

「あ、名乗りもせずにすみません!あたし、九条宵子と申します!」

「……九条?」


その瞬間、この場の空気が一瞬で凍りついたように感じた。……どうしてだか、分からないけれど。






「九条、宵子……だと?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ