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シン・ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第二話 可愛いは作れるのです
11/153

2-2




「……ところで、まずは何処に連れてくつもりなんですか?」

「まず服!その小汚いの、どうにかしよ!」


直樹くんに言われるがままにあたしは引きずられて行く。そしてブツブツ文句を言いながら後をついてくる常磐先輩(にもつもち)




「……あれ?」


あたしは服屋と言ったらファッションセンターのりくむらに連れて行かれるものかと思っていた。

りくむらは安くて手軽に買えるような服屋さんで、あたしの服はいつもそこでセールで投げ売りされているようなものばかりだったから。


反対に妹の千暁は有名なブランドものの服ばかり着ていた。妹が好きなのは確かミルキィ・ブラッディ・プリンセス……だっけ。略してミブプリとかいう。まああたしには縁のないような店だけど。


でも直樹くんが向かっているのはりくむらとは反対方面で、じゃあ彼は今何処に向かっているのだろうか。






「え!?ここって……!」


ついた先は、まさにあたしには縁がないと思っていたミブプリの店だったのである。


「あ、あの!彼女さんへのプレゼントとかでしょうか……!?」

「はあ?何でアンタのこと連れて僕の彼女の服選びしなきゃいけないワケ?だいたい僕、彼女居ないし」


直樹くん、彼女居ないんだ。……ってそんなことはどうでもよくて!じゃあ何でミブプリに!?


「……俺も入るのか、ここに」

「当たり前でしょ。アンタは荷物持ちなんだし」


思いっきり舌打ちする常磐先輩。出会ってからもう何回彼の舌打ちを聞いただろう。……じゃなくって!ということは、常磐先輩が寄りたかった店でも無いみたい。まあ彼はミブプリに用は絶対無いだろうけど。彼女が出来ても入らなそう。




「じ、じゃあ何でここに来たんですか!?」

「アンタの服選ぶ為に決まってるだろ。話ちゃんと聞いてた?」


はい、もう何となくそうかなとは思ってました。

でもあたしなんかが、こんな可愛いブランドものの服を着ることなんて一生無いと思ってたから、ちょっと現実逃避してました。


「ほら、早く行こうよ」

「ち、ちょっと覚悟を決めさせてください……!……よし、行きます!」


あたしは深呼吸して頷くと、覚悟を決めて第一歩を踏み出したのであった。




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