12-4
……常磐先輩が口を挟むが、まふゆさんの話には何処もおかしいところは無いように思える。
「あら、何かご不満でもあるん?」
「さっきの口振り、お前は幸臣を恨んでいた筈だ。あいつの為に動いてやる義理がない」
「……!」
確かに、彼女は父親だけではなく母親ですらも……つまり両親共々恨んでいるように思えた。先輩の言う通りだ。
「……まあ、恨んどったけど。でも身内に人殺しなんて普通して欲しくないと思わん?父親が人殺しなんてした日にはうちには人殺しの娘の異名が付き纏うんよ?そんなん御免やわ」
「それだけじゃない。さっきは流しそうになったがお前は奉日本家のことをあまりにも知り過ぎている。愛人の娘では知り得ないことまで」
先輩は更に詰めていく。まるで取り調べのようだ。……ちょっと怖い。
「うちもしょっちゅう奉日本の本家に忍び込んで秘密を探っとったんよ。常磐さんと同じく、ねずみさんしとったわけや」
その程度の取り調べで折れる訳がない、とでも言いたげにまふゆさんは笑う。……こっちも怖い。
「はあ……そんな言い訳で逃れられると思うなよ。奉日本沙雪の情報は本家には殆ど残っていなかったんだ。それなのにお前は事細かに説明した」
「それはうちの情報網が凄いってことやろうね?」
「ああ、本当に凄いな。まるで目の前で見てきたかのようだ」
「……ふふ。遠回しな言い方せんと。何が言いたいか言うてみいよ」
「……お前、奉日本沙雪だろ」
「……あれま、ご名答やわ」




