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「実は私と棗は奉日本幸臣の隠し子なんです」
「ええっ!?」
説明すると言って第一声からとんでもない情報が飛び出してきた。
「はあ?奉日本幸臣に隠し子?そんなルート……存在しなかったぞ……」
「常磐さんが何を言うてはるか私には見当もつきませんけど……確かに私と棗は奉日本幸臣と水鏡家の長女の子供なんよ」
そ、それって不倫ってこと!?
当主になると結婚相手も決められているだろうし、本来好きだった人と結ばれたくて、愛人として迎え入れるということだろうか。
「幸臣が愛人のところに通い詰めだという情報は知っていたが、まさか子まで成していたとはな……」
「水鏡……うちの母親は幸臣のことを諦められへんかった。子供を産めば幸臣が自分を選んでくれると思った……。ほんまに、愚かな母親や。結局、父はうちらよりも奉日本を選んで、母は都合のいい愛人にされとるって言うのに……」
「まふゆさん……」
残酷な話だ。あたしは、彼女に何て声を掛けたらいいのか分からなかった。
「……お前の話はそれくらいでいい」
しかし、それを容赦なくぶった斬るのが常磐先輩なのである。
「ちょ、先輩!?」
「お前が奉日本にやたらと詳しい理由は分かった。それ以上話を聞く必要は無いだろう」
「いやいや!そうだとしてももうちょっと人の心とかありませんか!?」
もう、これだから常磐先輩は……!あたしには優しくなってきてくれてると思ってたのに、やっぱり塩対応……!
……あれ?でも、あたしだけにってことは。もしかして、それは期待しちゃってもいいってことで……
「ふふ、ほんまにその通りやねえ」
……はっ!危ない危ない。久しぶりにトリップしちゃうところだった。
まふゆさんの笑い声で何とか現実に引き戻される。
「でもこれで分かったやろ?うちがどうして危険な降霊術を棗に使わせてまで外に出なあかんかったのか……」
「娘として、父親に人を殺して欲しくなかったから……ですか?」
まふゆさんは頷く。確かにこれだと辻褄が合う。
「せやからうちは "本家の息子" さんと連絡を取ることにした。母親は違えど同じ父親を持つもの同士、父親を止めたいという要求は一致したさかい」
本家の息子……会長さんのことだ。何処からかは分からないがやはり二人は手を組んでいたということらしい。
「……待て、おかしいだろ」




