12-1
「ん……」
目が覚めた時、一番最初に目に入ったのは見知らぬ白い天井だった。
「ここ……どこ……?」
不安になって辺りを見回すと、腕に点滴が繋がれていることに気づいて冷静になる。どうやら出血多量で倒れて病院へ運ばれたらしい。
「……っ!いたた……」
思い出すと同時に肩に鋭い痛みが走った。そうだ、あたし……銃で撃たれてるんだ。物凄く痛い。起きなきゃ良かったと思うレベルに。
「……あら、起きはったん?」
「……!あ、すみません。騒いじゃって……」
どうやら隣のベッドに誰か寝ているらしかった。慌てて声を抑える。
「ええんよ。ずっと一人で暇やったから。……もし良かったらうちとお話してほしいんやけど……」
「あ、はい。大丈夫です」
目も覚めてしまったし、一人だと退屈だ。それなら話し相手がいた方がこちらとしても有難い。
「おおきに。ほな、カーテン開けるわね」
「は、はい」
こちらもベッドのカーテンを開ける。するとそこに居たのは……
「ま、まふゆさん……!?」
独特な口調からしてそうじゃないかとは思っていた……けど、今あたしの目の前にいるまふゆさんはいつもと様子が違っていた。
いつものまふゆさんはもっと元気そうで、髪だって艶のある黒色だ。だけど今のまふゆさんは顔色は悪く痩せ細っていて、髪も真っ白だった。
「ふふ。この姿でお会いするのは初めてやから、びっくりさせてしもて堪忍ね」
「い、いえ……。って、 "この姿" って何ですか?」
あたしの反応にクスクスと笑うまふゆさん。それは弱っているのに、何処か儚くて綺麗に見えた。
「うち、水鏡家はね……。降霊術が使える家系なんよ」
……そしてそんな彼女の口から、にわかには信じ難い言葉が飛び出してくるとは思いもしなかった。




