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シン・ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第十一話 晴臣と宵子
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11-6




「い、いったい君は何を言っているのかな?」


あたしのこの提案は会長さんにとっては予想外だったらしい。彼は明らかに慌てていた。


「簡単に言うと当主様の部下として入り込むってことです。そうすれば本家の様子も探れますし、それで学校にも登校すれば常磐先輩のことも守れます」

「い、いや、一応父さんのところには私側のスパイも送り込んでいるから君がそんなことする必要はないんだよ?」

「でもそのスパイさんがいても、こんな危険な状況になっちゃったんですよね?」

「うっ……」


どうやら図星をついたらしい。彼はうんうんと唸って考え込んでしまった。


「ううん……でも無関係な君にここまでして貰うのは……」

「命を狙われている以上、もう無関係なんかじゃないです。それに、まさか命を狙っているあたしが隠れるどころか変装して自分のそばに居るなんて、本家様も想像しないんじゃないですか?」


あたしがそう言うと、会長さんは一瞬無表情になった。やっぱり、無茶だった……?






「……あっははははは!!君、ほんと凄いこと考えるねえ!!」


……しかし、彼は大笑いした。どうやらお気に召してくれたようだ。


「ほんと、相当無茶だよそれ」

「あ、あう。やっぱり無茶ですか……?」

「でも凄いね。自分からそんな無茶を申し出るなんて。恋は人を強くするんだね。……ねえ?源氏くん」

「……?」


会長さんはそう言って、部屋の物陰に目をやる。すると……




「……全く、その通りですね」

「ふふ。あなたも関係してる話だからね、源氏」


その物陰から急に人が現れたのだ。しかも二人も。ええっ!?さっきまで何の気配もしなかったのに!?

……というか、あたしはこの二人を知っている。だって……!


「う、嘘でしょ!?(ゆずりは)光源氏(ひかるげんじ)Lena(レナ)!?」

「……あら、どうやら有名みたいね……わたしたち」

「あ、当たり前じゃないですか!あなた達のこと知らない人なんて居ませんよ!?」


楪光源氏は国民的アイドル。今から半年前に突然現れて……そのすらっとした身長と中学生とは思えないくらいの容姿、そして歌声で一気に国民を魅了してしまった。アイドルに興味無いあたしでも知ってるくらいの存在!


Lenaは奇跡のアルビノ美少女として何度もテレビや雑誌で紹介されている。ロシア人のクォーターでアルビノだから透き通るような真っ白な肌……それは女の子だったら皆憧れるその名の通り奇跡の美少女!




「ま、まさか会長さんが本家へ送り込んでいるスパイって……」

「……そ。わたしと源氏」


改めて奉日本家の恐ろしさを感じる。まさか、芸能界まで牛耳っていただなんて。


「まあ、本家のバックアップ……所謂ゴリ押しで有名になりましたからね、俺達」

「そう?確かに最初はそうだったかもしれないけれど、今のわたしたちの地位は自分で上り詰めたものでしょう?奉日本の後ろ盾があっても生かしきれずに死んでいった芸能人、沢山見たもの」

「そうですね……それを生かすも殺すも結局は俺達次第でしたから」


ひ、比較的エグい話を聞いてしまった……!つまり、この二人は奉日本の本家のバックアップを受けながらも、実力でここまで上り詰めたと。


「じゃあきっと、本家からの信頼も凄いですよね……!」

「そういうことになりますね。まあ実際の俺達は当主ではなく、次期当主である晴臣さんの駒な訳ですが」

「もう、源氏くんったら!私は君をそんなふうに思ったことは一度もないって言ってるじゃないか!」

「ふふ、晴臣ったら。それってわたしはそんなふうに思ったことがある……って言ってるようなもの。……ま、源氏はあなたのお気に入りだもんね」

「そんなことないさ。確かに源氏くんは特別だけど、私は仲間には誰にも傷ついて欲しくないと思ってるんだよ?」

「フォローの言葉ありがと。とにかく、わたしと源氏は当主の信頼を得る為にここまで頑張ったの」


……そんな二人が潜り込んでいても、今みたいな状況になってしまったのか。改めて当主の恐ろしさを感じる。




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