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両想いになったばかりの親友を巻き込んで異世界に召喚されました。彼女の超遠距離恋愛はどうなりますか?  作者: ゆうき けい


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現世 20

思った以上の情報が得られたが、では、どう修正すれば正しい魔法陣が描けるのかは未だ不明だ。二回目の魔法陣の起動に予定以上の力を流し込んでしまった、大和のダメージは大きく、その後二日間寝込んだ。

三日目の朝、目を覚ました大和に、武流はその間、行っていた召喚魔法陣の解析結果を示した。

「あの時、あいつが言った、巫女、は、いいな。」

三重の円の真ん中、一番小さな円の中に描かれた紋様が、巫女を意味する。

「そして、場所。どことどこを繋ぐかが、二番目の円の下方、と上方。」

「一番外側に対価。」


紋様が単純に表音文字なら、時間はかかっても解読はそれなりに可能だ。何故なら、妖力を込めるために多少修飾されていたとしても、先代巫女の辞書もあり、コンピューターで手当たり次第に一文字ずつ当てはめて、力押しすれば良いからだ。しかし、召喚魔法陣の紋様は、漢字と同じく表意文字らしい。そうなると判読は格段に難しくなる。

”巫女”の紋様から、”神”や”祈り”は、ひょっとすると、類推できるかもしれない。けれど、”巫女”から”塩”や”赤”など全く関係ない表意文字にたどり着くことは不可能だ。


「流石に表意文字の解読に参考が一文字では、厳しいね。」

そう言って布団に体を沈める大和に、武流はもう一枚の紙を差し出した。

「そうでもないさ。これを見てくれ。」

差し出された紙の上に、プリントされているのは、象形文字?

「古代文字で金文と言う。中国殷の時代に盛んだった青銅器に彫られている文字だ。どう思う?よく似ていないか?」


召喚魔法陣を隣に並べて見せた武流に、大和は飛び起き、めまいを起こして、再び沈み込んだ。

「似ているって言うか、そのまんまじゃないの!?」

「いや、流石にそれは無い。が、多分、元になった文字は一緒だと思う。」

「はああぁ、盲点だった。辞書があるから、絶対、召喚魔法陣の紋様もあいうえお対応だと思っちゃったよ。

でも、これで、解読出来るね。」

「ああ、今、やらせている。甲骨文字や篆文文字なんかも同時に検索をかけている。」

「??まあ、よく分からないけど、武流兄に任せるよ。」


「良かった。」

心の底から安堵の声が零れた。

「でも、よく思いついたね、流石は武流兄。」

「・・・まあな。」

「?」

「結果が出るまではまだ数日かかる。大和もちゃんと休んでおけよ。解読できたとして、呼び戻す為の陣を作る、第二段階が控えているからな。」

「わかった。」


布団の上から大和の胸をポンポンと軽く叩いて、武流は部屋を出て行った。


電源を切っていたスマホを起動する。着信が十数件入っている。同じ番号が並ぶ画面にぞっとして、留守設定をしなかった過去の自分に拍手喝さいを送りたかった。

「もしもし、どうしました?ちょっと抜け出せない会議が入っていて。・・・。・・・。ええ、勿論です。伺います。」

湧き上がる吐き気に口元を抑え、武流は謎解きのヒントとなった出雲衆の呪符をポケットの中でぐちゃりと握りつぶした。

呪符に描かれた文字と召喚魔法陣の紋様が、酷似していることに気が付いたのは、あの異世界人が、魔法陣の紋様が何を意味しているのか、漏らしてから。ヒントは最初から目の前にあったのに気が付かなかった、時間を無駄にしてしまった気持ちが焦りを生む。裏切りの証拠を、白日の下に晒さずにおくものか、と強い意志を持って、武流は歩き出した。


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