過程観察記録No.038:この日を、繰り返す:
〈観察記録No.038〉
AM7:02
時点Hにて、四ツ葉、覚醒。
AM7:25
四ツ葉、徒歩でコンビニエンスストアへ向かうために家を出る。
AM7:35
四ツ葉、最寄のコンビニエンスストアに到着。
AM7:40
四ツ葉、インスタント春雨スープ1個、おにぎり1個を購入。
コンビニエンスストアを出る。
AM7:50
四ツ葉、帰宅。
AM7:55~AM8:05
四ツ葉、朝食を摂る。
AM8:10
四ツ葉、昨日の衣類を洗濯機に投入。
洗濯機、稼働開始。
四ツ葉、風呂掃除を開始。
AM8:20
洗濯機、洗濯終了につき稼働停止。
AM8:30
四ツ葉、風呂掃除終了。
四ツ葉、冷蔵庫から麦茶を取り出してグラスに注ぎ飲む。
AM8:35
四ツ葉、洗濯された衣類を洗濯機から取り出す。
AM8:40
四ツ葉、洗濯された衣類をテラスへ運ぶ。
AM9:00
四ツ葉、テラスにて洗濯された衣類を物干し竿に干す作業を終了。
AM9:30
四ツ葉、寝室にて就寝。
PM6:20
四ツ葉、起床。
PM6:21
四ツ葉、排尿のためトイレへ移動。
PM6:22
四ツ葉、トイレから寝室へ戻る。
PM6:30
四ツ葉、テラスへ移動。洗濯された衣類を取り込む。
PM7:00
四ツ葉、取り込んだ衣類を規定の収納場所へしまう。
〈会話記録No.089〉
PM7:05
会話開始。
「そういえば、こんなことがあったかな」
眠る五十嵐のそばで、四ツ葉は過去に耽溺してゆく。
「五十嵐は持ち前の明るさで友達が多かった。
対して自分は、そんな友達は居なかった……。
遊ぶとしても五十嵐とだけだったんだ。
小学生の頃だったかな? 昼休みや放課後のとき……。
五十嵐は、たくさんの友達と一緒に、外に遊びに行く。
自分は、自分の席で本を読んでるだけ。
――別に、それで良かったんだ。自分と五十嵐は、全然違うんだから。
そんな感じの毎日だった。
だけどさ。
家に帰ってから、五十嵐がさ。
寂しいから今度から一緒に遊ぼうよ、って。
ぶっちゃけ、嫌だった。
いや、そりゃあ、自分は五十嵐と遊びたかった。
けど、自分は五十嵐の友達と仲が良いわけじゃない。
なのに、そこにいきなり混ざれってか?
ムチャだと思った。
でも……でもさ。五十嵐は、自分と遊ぶことを選んでくれたんだ。
双子だからってのは、別に一緒に遊ぶ理由じゃなくて。
十文字四ツ葉だから、だったんだ。
それはなにより嬉しい事だったんだと、今なら思う。
だけどまぁ、自分には苛烈な世界だった……
自分たちの世界についてこれない、そして、
特に興味もない人間に対して、子どもは特に残酷だからね」
PM7:07
会話終了。
AM0:00
四ツ葉により、時点Hへ時間遡行。
累計経過時間 1日19時間7分
会話記録数 90




