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森のなか

作者: 颯姫

 ねぇ、知ってる?桜って血で染まるって話。戯言だと思ってるでしょ?最近、よく見かける桜の色が薄いのは何故だと思う?それはね、桜の木の下に死体がないからなの。

 この森の中にある山桜の木の下には死体が埋まっている。そう、私。あなた、殺人事件だと思ったでしょ?そもそも桜の木の下に埋められたんじゃないから。私を埋めた上に桜を植えたの。桜は私の墓標。

「綺麗ね」

ここが私の眠る場所だということが忘れられて、随分と経つ。苗木だった桜ももう巨木。そしてもうすぐ、終焉を迎える。玉虫の羽よりもキラキラと光る蠟燭よりも明るい光。

「春になってたくさんの人が来るまで頑張ろうね」

あ、もしかして私が何故死んだのか気になってる?それは秘密よ。


「この辺り、キノコないわねぇ」

キノコ取りにきた年配の女性が残念そうに呟く。

キノコなんて、懲り懲りよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 薄赤いのは鉄分なんですね。 知らなかった。 昔、桜の天ぷらを食べましたがおいしかったです。
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