過去最高
先日、歴史バラエティ番組にて「なぜ武田勝頼は敗北したのか」ってテーマでやってました。優秀な跡継ぎではあったらしいけど結局の所、先代が築いた軍事力と版図を2代目で潰してます。結果論でいえばダメ2世の烙印を押されても仕方ないのでしょう。
ただ、戦は強かった。前線指揮官としての力量は家中でも認められており、申し分のない2代目の器量の持ち主であったというのはもう常識。それでも一代もたなかったというのは後世の人間からすると評価は辛くなるのでしょう。
実際、長篠の敗北の後でも領土は過去最大くらいに拡がってましたから。そこから一気に滅亡するというのもちょっと不思議な話なのですが。
番組では同盟関係にある隣国をないがしろにした、外交の失策が要因のひとつに上げられていました。一時的に領土が拡がっても周辺国との関係が悪くなっては何の意味もないってことでしょうか。信用は領土よりも重い。
あと、番組では触れられませんでしたが金の採掘量が激減したのも痛かったように思えます。農地が少なくても金山があれば強い軍団を維持できるし家中の結束も強まるのでしょう。
しかし金の枯渇によって勝頼は領土拡張に振ったようにも思えます。鉱山がアテにならないなら領地を増やして収入を上げるというのは妥当な判断に思えます。
ただ、いくら領地を拡げても生産力のあまり高くない領土は維持費がかかるだけで大した収入もなかったのでしょう。領土拡張路線が結果的に首を絞めたようにも思えます。
戦は強くても領国経営、外交の才覚、経験が欠けていたのかもしれません。
さて、この国ではなんと過去最高の税収があったそうです。少子高齢化が進んでいるうえ、景気もあんまり良くないような気もするのに意外な話です。それもこれも真面目な国民が五公五民でも頑張って仕事して真面目に納税しているからこそなのでしょうね。それほどの税収があったんなら国民にご褒美として何かの減税でも実施してくれればもっと真面目に働こう、頑張って納税しよう、未来にも希望が持てて景気が上向きそうですがそんな気配は微塵もなし。菜種は絞れるだけ絞れってとこでしょうか。
そういえば政府は最低賃金のアップをしきりに企業に要請してましたっけ。法人税を低く抑えてると企業が内部留保を貯めこんでしまう。だったらそれを賃金に上乗せしろって。
でもよく考えたらそれが賃金に上乗せされても上乗せ分も結局税金が天引きされるので額面通りには上がんないのよね。それでも分母が上がるのは喜ぶべきでしょうか。
ただ、これによって法人税が低く抑えられても結局は賃金という形で税が上乗せされる。なんだか政府が手を出せない内部留保をうまいこと徴収してるような気になってしまいます。これも過去最高の税収の一助になってるのかもしれません。
んで、ここにきてこの国のエライ人は「将来に希望が持てるよう増税する」って言いだしたようです。いや、実際にはそんな言い回しはしてないようですが要はそういうことのようです。
なんでもインボイスで自営業者が実質増税になってしまったのでその不公平を是正するためにサラリーマンの退職金の控除を減額、廃止する方向なのだそうです。いや、最初に不公平な課税しといてそれを是正するためにまた増税って、おかしくね?
そもそも過去最高の税収があったというのにまだ足りないと仰るのでしょうか。それとも税収の連続更新記録でも樹立したいのでしょうか。
武田勝頼は過去最大の版図を手にしながらすぐに滅亡しました。版図を拡げても周辺国や領民の信用を失えば何の意味もないのでしょう。
一部の人達は過去最高の税収で浮かれ上がってるのかもしれないけど、それが信用と引き換えになっていなければいいですね。




