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信玄の厠  作者: 厠 達三
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八方美人


 昔からよく言われる憐憫と侮蔑の言葉ですね。いつ頃から言われてるのかは知りませんが、それほど八方美人な人というのはいつの時代にもどこにでもいるということなのでしょう。

 面白いのはこんな言わずもがなのネガティブな言葉を美徳か長所と履き違えてる人が結構多いということ。酷いのになると「私は八方美人です」などとわざわざ自分から自分の信用落とすような人さえいます。

 恐らくそういう人は勉強が足りないか頭が悪いか無知のどれかでしょう。そういうオツムの弱い残念な人は特に珍しくもありません。


 ま、自分個人としてはそれを目ざとく指摘するつもりもありませんけどね。頭の悪い人にいちいち指摘したところで間違えてるのはこっちで本人は全く間違ってないなどと自説を曲げないものです。そういう人間に忠告したところでムダなうえ損でしかありません。頭悪い人に正論説くほど愚かなこともありませんから。


 それに言葉は変遷するものだし、今の時代はニュアンスも違うのかもしれませんし。言葉狩りも自分の趣味ではありません。

 でも、地域によっては「私は八方美人です」なんて言う人は余程頭が悪いと思われて誰にも相手にされなかったりする場合もあるので注意は必要です。恥かくどころの話じゃありません。

 殊に自分の住んでる地域がそういう気風。「私は八方美人です」などと自分から言おうものなら端から信用されないか、親の教育が疑われるか、常識がないと思われるのが関の山。ひどい場合は村八分に遭ったりします。

 ただそれも自分の住んでる地域限定のことかもしれないので別に構わないのですけどね。余所の地域ではもっと軽い言葉なのかもしれませんし。それは自分には分かりません。

 とはいえ、自分から八方美人なんて言う人は地域によっては眉をひそめられたりもする事実は認識しておいた方がよろしいかと。言葉遣いには気を付けたいものです。無知を露呈する場合も少なくありません。


 ではなぜ八方美人が信用されないのか? 考えるまでもありませんわな。上っ面だけ取り繕って誰にでもいい顔する人間が信用できるわけがない。あまつさえ自己申告するような人間は端から自分は平気で人を裏切るパーソナリティーですと喧伝してるようなもの。そんな人間信用できるわけがない。八方美人という言葉の意味すら知らない頭の悪い人はもっと信用できない。


 なお哀しいことに自ら八方美人と言いたがるおバカな人は腹黒い人とウマが合いがちです。媚びへつらうしかできない頭の悪いだけの人は利用して捨てても何も怖くありません。腹黒い人にとって媚びる人というのは利用しやすいのでしょう。

 そのくせ親身になって心配してくれる人がいたとしてもその好意に気付けない。媚びたがる人というのはおしなべて腹黒い人に利用されたがります。結果として善意の好意も無下にして信用できる人を遠ざけてしまう。なぜかは分からないけど媚びたがる人は腹黒い人が大好きです。

 いくら周囲の善良な人がアドバイスやサポートをして本人のメンタル回復に協力しても、八方美人はすぐ腹黒い人に擦り寄り利用され、また精神をすり減らす。その度に死にたい哀しいと騒いでは周囲の同情を集めたがる。


 結局、腹黒い人に媚びへつらい、利用されるだけされ、利用価値がなくなれば捨てられる。それでもまだ腹黒い人に奴隷のように縋り付く様は端から見ていてとても気持ち悪いという事実にも気付かない。

 捨てられてから信用できる人達の好意に気付いても後の祭り。そういう人たちはもう気持ち悪い八方美人に見切りをつけて距離を置かれてしまう。

 それも当然で八方美人と下手に関わってたら八方美人を利用する腹黒い人と思われかねません。親の教育行き届いてる人は八方美人など相手にしないものです。それが八方美人が侮蔑の言葉たる主な理由です。


 たぶん、八方美人は自分の芯というものがないのでしょう。ついでに人を見る目もプライドもない。誰からも相手にされなくなるのは必然でしょう。


 そうして自ら人の信用踏みにじり、誰にも相手にされなくなった八方美人はまた別の腹黒い人に擦り寄り媚びへつらい、同じループを繰り返すのでしょうね。



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