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信玄の厠  作者: 厠 達三
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ニューワールドオーダーよもう一度

 サッカーW杯がそれなりの盛り上がりを見せ、その盛り上がりのままに今度はプロ野球の国際イベントがそれなりに注目されてるようです。あの興奮と感動をもう一度、とばかりに昨日までサッカーサポーターだった人達が今度は野球ファンに変身する例も多いのでしょう。いや、別に盛り上がりに貢献するならそれでいいと思います。自分もそんな感じだし。


 で、戦力不足が懸念されてた日本代表メンバーにメジャーリーグの第一線でやってる投手も参戦を表明。おかげで先発陣の戦力大幅アップに繋がったのだとか。なんだか少年サッカーマンガとかにありそうなこの合流劇にどっか演出っぽいものも感じてしまいますがそれは野暮ってもんでしょう。戦力を揃える段階からもうドラマが始まっているのでしょう。頑張って下さいとエールを送ります。


 ここで私はフト思った。格闘技興業でもこういう夢のある国際大会イベント催せば面白いんじゃね? と。

 まず米国、英国、日本、メキシコあたりの参戦は間違いないでしょう。インドや中東あたりでも盛んらしいのでそこからの参戦も見込めます。中東や東欧などでもアマ団体の参戦を認めても面白いかもしんない。北欧にはあるんだろうか? もしあるなら見てみたいもんです。


 国内のイベントでは敵対関係にある選手が共闘したり、団体の壁に阻まれて交流すらない選手が国の旗の元に集ってタッグ組んだりユニット組んだりするわけです。夢が広がります。

 さすがに実現は無理だろうから自分が小説でも書いてみるか?


 とはいえ小説にするにもかなり難しい。それだけの大規模イベントになるとスポンサーやプロモーターだけでの開催はムリだろうからそれこそ汚職やら横領とか普通に起こりそう。開催場所や会場をどうするかの問題もあるし、プロレス特有のケーフェイな部分をどう調整するかだけでも頭を抱えます。てゆうかアマ選手まで交えてたら現実的に無理だと思う。


 全ての団体のスケジュールを調整する必要もあるし、選手のスケジュールとコンディションを調整するのもかなり大変。しかもそんな国際大会的なイベントのために自分とこの団体の興業をおろそかにするわけにもいかないから、現実的に考えればそんな大会やらない方がいいよね、ってなるのは目に見えてます。

 それに格闘技興業はナショナリズムとは一線を画すようなところもメリットというか、魅力のひとつでもあるのでわざわざその利点を手放す必要もないと個人的に思います。


 つまり格闘技興業の世界大会イベントは船出の出港式時点での沈没が約束されてるようなもんで、ファンが妄想するぶんには構わないけど間違っても実行しようなんて考えちゃいけないデスマーチなのはもう明白なのです。そりゃ誰もやりたがらんわ。


 到底実現不可能な夢なのは分かりきってる。でも夢だからこそ人はそこに夢を抱くし妄想も止まらないのでしょう。かつてNWOという新たな世界秩序を目指すという理念のもと始まった企画がワールドワイドに広がった前例もあるように、団体や国や売り上げといった枠組みから解き放たれた、夢の架け橋をもう一度見てみたいと思うのは人情ではないでしょうか。


 いや、ヒールユニットの理念に共感するのもちょっとおかしいんですけどね……



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― 新着の感想 ―
[一言] それを80年代に漫画でやったのが『プロレス・スターウォーズ』なんですねえ。 さらにさかのぼれば、力道山の「ワールドリーグ戦」のコンセプトもそれ。 そして、漫画のあとの猪木の元祖IWGPっての…
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