はんこを押すお仕事
後援会の場だかなんかでこんな発言をした現職の某大臣さんが辞職したらしいです。
いや、実のところ昨日までにこのネタでエッセイ一本書いてたんですけどね。書いてたんだけど今般のスピード辞職を受けて急遽内容を書き直しです。
ええ、卑劣とか姑息とか修正主義とかいう苦言、クレームは謹んでお受けいたします。自分はその程度の姑息なやつであります。
ただ言い訳として修正前の内容としましては、
『金にもならないしテレビにも出られないのがご不満なら辞職すればいんじゃね?』みたいな揚げ足取りをしつつ、所詮は後援会での発言に過ぎないし、こんなおバカ発言する人を応援する人が多いってのも幸せなことですね、今後も辞職せず頑張ってくださいみたいな悪意の混じった前向きな主張でシメとしました。
ところがその翌日だかにスピード辞職、事実上は更迭とも言われてるので自分が軽視したこの案件を世間、マスコミ、政権与党は重く受け止めたってことのようです。つくづく自分は世相を読む目がありません。
いや、だってご本人も今後は気を引き締めて職責を全うしてまいります、って強気な発言してたし、任命責任者も庇うようなコメントしてたし、こりゃ当分辞職はないだろうな、この件でしばらく楽しませてもらいましょ、って思ってたんですもん。ところが翌日くらいにもう辞職。
こんな猫の目みたいな展開、そりゃ予測できる訳ありませんがな! いったい裏で何が起こったのか自分の乏しい発想力では想像すらできず。
世間では事実上更迭なんて言ってるけど本当にそうだろうか? だって任命権者が庇うような発言しておいて、その後「やっぱり更迭ネ♪」なんてやられちゃ下にいる者はおちおち仕事もできません。こんなトップ到底信用できませんから。
なので、自分は更迭説には懐疑的です。更迭では任命権者にダメージが行くので辞職という形を取る、ってのは永田町の常套手段だけど、ご本人はまだやらせる気満々だったようだし……
辞職した人にしても前日とは言ってることが180度違っててまるで洗脳でもされたかと疑ってしまうほど。言うことがこれほどコロコロ変わる人って信用できるんだろうか……
信用できるか否かは主観に過ぎないので置いといて、本当に辞職なら任命した人はそれなりに信頼をして責任も持って任命したんだろうから、慰留くらいはすると思いますけどね。企業にだってその程度の温情はあります。
ところがそんなもんは露ほども見えず。任命した人は「本人の意向で」みたいなまるで他人事みたいな態度。そしてお定まり、「任命責任を重く受け止める」というよく分からんコメント。いや、だから責任は受け止めるもんじゃなくって負うものなんだって。
たぶんこんな軽いトップだから下の人間も同じような軽い人たちが集まるんでしょうな。
法相の仕事がはんこを押すだけじゃないなんてことはそりゃ分かってます。ただの軽口だというのも分かってます。ただその軽口一つで世間に猛バッシングされるということはそれほど責任の重い職責だってことです。自分ごときが言うまでもなく子供でも知ってますけど。
たぶんこの辞職した人も同様に「責任は受け止めればいいもの」という軽いノリだったのでしょうね。こんな考え方ができるのはそもそも無責任な人です。
いや、無責任云々はただのこじつけでしょう。実のところ、軽口ひとつも見逃さない、許さないという風潮が世間に蔓延しているのでしょう。
なんでそんな息苦しい風潮を招いたのか? たぶん責任感が乏しいからでしょうね。




