封印解除 後編
別にフェアでありたいとか、大上段に構えるつもりもありませんし、自分はそこまで傲慢じゃないつもりです。ただ芸能人はダメでサブカルはオッケーなんてダブルスタンダードが気に食わないだけです。自分自身が納得できるまでシミュレートします。
アニメの動画とかゲームのデバッガーは制作で言えば下っ端もいいとこです。いや、エライ人がデバッグやる場合もあるらしいけど。ううむ、話がややこしくなるのでここは下っ端ということで話を進めます。
そんな下っ端がヤクやってた場合でも作品封印されるとしたら、ちょっと納得いかない。これが監督とかキャラデザとかシナリオだったらまた話は違ってくるけど。
映画やドラマの場合だとADとかかな? そんな下っ端(かどうかはよく知らないのですが)がヤクやってた場合でも放送局は封印するんだろうか? 前例がないのでよく分かんないけど、多分、しないと思う。
そもそもアルバイト程度の末端がヤクやってるかどうかまで制作に把握しろってのも無理な話です。その場合はいち市民としての量刑を受けるだけでいいような気もします。アニメの場合、ヤクやってた人が担当したパートを描き直すかどうかは制作の判断でいいと思います。
実写作品の場合もそう。裏方はどうせ映像には映りっこないんだから、封印する必要はないと思います。もちろん、ヤクに手を出した人はきちんと処罰されるのが大前提です。
が、作品に大きなウェイトを占める人物。つまりは監督、脚本等。それとキャラデザも実写では役者に相当するのでアウトです。これらの人がヤクに手を出した場合は、ゲームだろうがアニメだろうが、封印するのもやむなしと自分は定義します。いくら見たくっても、真に作品を愛するユーザーなら、将来のためにも耐える必要があると思います。
難しいのが声優さん。このポジションも役者に相当するので作品を封印するか、吹き替えで対処すべきかは難しい判断。ゲストキャラなら吹き替えでいいとも思いますがメインキャラ級だとどうなのか。こちらも個人的には吹き替えでいいような気もします。実写と違って本人が映像に出るわけでもありませんから。でも、制作サイドが責任のとり方と判断して作品を封印するならば、ユーザーとしては受け入れるべきだと思います。
ま、アニメの現場がブラックなのはもう常識なので売人は端から相手にしないとは思いますけど。
だんだん結論が見えてきたぞ。つまり、役者は監督、脚本にも肩を並べる作品の顔なわけです。言わば責任者です。責任者だからこそ高い給料ももらえるし、華やかな場にも出られるのです。その分、きっちり仕事してもらわなければ困ります。なんとなれば下っ端がやらかしたミスの責任も取らねばなりません。そのための責任者なんですから。その責任者にヤクに手を出すような人を任命した日には、そりゃ作品が封印されても仕方ないでしょう。
つまり、「役者がヤクに手を出したからって作品まで封印する必要ない」って言っちゃってる人は「責任者が責任とらなくていい社会でいい」って言ってるのと同じなんではないか? だから自分はあの意見を耳にするたびに釈然としなかったのではないか?
確かに、ここ最近責任取らないような責任者をよく見ます。地位に連綿して「仕事を続けて責任を全うします」なんてしれっと言っちゃう人を最近よく見ます。責任の取り方なんて人それぞれなんでしょうが、自分には到底、責任取ってるようには見えないのです。これが社会の風潮ってやつなのでしょう。
「役者と作品は分けて考えるべき」とか「作品に罪はない」とか言っちゃってる人は、恐らくですが、何か責任を取らされる事態に直面した場合、責任を取り切る責任感すら持ってない、ってことなのでしょう。
そもそも撮り直しを決定した国民放送の判断を傲慢だとか視聴者無視とか言ってたコメンテーターはドラマが見たかったわけでもないし、元々興味すらないのでしょう。そんなファンですらない門外漢がワイドショーでさも深刻そうに語った所で説得力なんかありゃしません。
むしろ制作が判断した責任のとり方に対して失礼とかは思わないんでしょうか。いや、思うくらいの謙虚さがあったらワイドショーのコメンテーターなんて務まんないんだろうな。




