巨大ロボットの迷走
先日、ゲームエッセイの関係でパチ物をいろいろ検索してるとガンガルなんかよりはるかに笑えてツッコめるパチ物を発見。その名も太陽系戦隊ガルダン! いや、パチ物マニアの方から言わせれば何をいまさらなのでしょうが、いいんです。自分はつい最近知ったんだし。
造形がもう酷いデザインなのは言うに及ばずどころかガンガルがまだカッコよく見えるほどの素晴らしい出来栄え。名前もガンダムトリコロールの機体は「最強戦士ドン」。ザクっぽいのは「超鋼戦士ガン」とかいう意味不明ぶり。じゃあガルダンってなんなんだ……このあたり、製作陣のロボットアニメに対するコダワリのなさが垣間見えます。大体、ガンダムパクってるのになんで戦隊なんだか……
デザインもガンガルはロボット物としてはまだ見られる仁義は守ってんです。でもこのガルダンはそんな気など一切なし。ロボットっぽい角ばりはなく、妙に丸っこいラインで生物的なグロさがあります。パケの隅にパイロットキャラまでご丁寧に描き込んでますが、これまたヤマトや他のアニメを図々しく丸パクったような統一感などまるでないデザインがダメさを無駄に増幅してて笑えます。
それとこのシリーズには戦車型のパワーアップアイテムも別売りされてて、ロボとドッキングができる仕様の模様。なんでわざわざガンタンクみたいにするパワーアップアイテムを売り出すかなあ! いや、ガンタンクもザクタンクも元々デザインがカッコいいから問題ないのであって、それをカッコ悪いガルダンでやられましても! 売れりゃ正義なんですよって製作陣の声が聞こえてきそうですが、売るだけ損を出すような気がするのは内緒。
単体でも上半身差し替えで腰から上が砲台になる謎ギミックも搭載。だからなんでわざわざカッコ悪くすんねん! てゆうかコクピットがどこにあるのか、ちゃんと考えてらっしゃいます?(コカンなら問題ナシ)
あとこの手のパチ物は腕がドリルになりがちです。やっぱりドリルは男の子のロマンなんだなって永遠の真理をパチ物とはいえそれなりにきっちり押さえてはいるようです。手の造形よりドリルの方がラクで経済的なんて野暮なことなど考えたこともございません。
赤い機体は顔だけマジンガーっぽくて青い機体はゲッターロボっぽい。なんか当時の人気アニメだけは真面目にパクってるっぽいけど、デザインが酷いのでどうもふざけてるようにしか見えません。これらも元々は他のパチ物からの流用みたいです。当時のパチ物の手法としては割とポピュラーなものだったらしいですね。まあ「ニセ物が出るのは本物になった証」みたく、当時のおおらかなクリエイターは気にも留めなかったのでしょう。微笑ましい時代だったようです。でもこれはいかに温厚な安◯氏でも怒っていいレベルだと思う。
このガルダン、酸欠起こしそうなほど笑えるにも関わらずガンガルの後塵を拝し、いまひとつメジャーになれなかったのは子供向けの割にはデザインがグロかったからではないでしょうか。大人が見るぶんには笑えるんだけど、子供が見たらちょっと怖いんじゃないかなあ。生物的なフォルムも底知れぬ気持ち悪さに拍車をかけてます。名前もドンじゃなあ……それとパイロットキャラもなんか外人さんが見よう見まねで描いたような不気味さがあります。これは本家のガンプラを忠実にパクってるんですが、これならやらない方がまだ良かったかも。このあたりもガンガルと違って妙に肩に力が入ってます。いや、そこも笑えるんですけど。
それからこのプラモデルのシリーズ名らしく、「Oh!! アニメスケール」っていう謎のロゴも書かれてて、このロゴデザインも妙にチープで、AVかエロアニメのパッケでも連想させるいかがわしさを醸しだしてます。いや、元々いかがわしい玩具だからいいのかも知んないな。って、製作陣はどこに向かってパンチ打ってんだか!
なんか面白いので次回も続きます。




