擁護天国
市民感覚からちょっとズレた主張をして奇をてらう人たちがいる。天下りは悪くないんだとか政治家の給与は高くて当然とか。
ま、全てが間違ってるとも言わないけど、じっくり聞いてみると笑ってしまうほど根拠に乏しい。そういう主張をしたがる人たちはたいてい薄っぺらい。論破されても頑なに持説を曲げない。目立ちたいだけだから持説の否定をことさら恐れる。
んで、どっかの国の広報官だか、通称飲み会を断らない人が健康上の理由で辞職したらしい。ついこの前まで続投する、上司も続投させるって言ってたのに。まさに狙ったようなタイミング!
その辞職の理由をまともに信じる人がどれほどいるかはさておいて、こんな前時代的な官官接待まがいの癒着がいまだ行われてる事実に驚愕してしまいます。こういうこと言うとたいてい、「癒着もある程度は必要」なんて主張をする人がいる。癒着によって物事がスムーズに進むのならそれはカネ、時間の節約になる、と。ふむふむ。
で、その飲み会で7万円超の飲食代をおごってもらい、おごってもらった本人はその事実もはっきり覚えていない、おごってくれた面々もよく知らないうえ覚えてないとか。一般人でそんな人いる?
こういうこと言うとたいてい、「政治に携わる人を貧乏臭い店に招待するのは失礼だしセキュリティ上問題がある」なんて言いたがる人もいる。なるほどなるほど。
で、その接待の場には現職総理の息子まで同席。それについても、「総理に直接伝えるには煩わしい手続きが必要だから、息子を通せば手っ取り早いだけ」なんて擁護する人もいる。その擁護がすでに破綻している。
で、挙句の果てには「有能で実績もある人を接待程度で辞めさせるのはかえって損失ではないのか」なんて無茶苦茶な擁護まで始める。
「所詮マスメディアが大騒ぎしてみんなそれに乗せられてるだけ」とも。うん、その主張は理解できなくもない。自分も天の邪鬼だから世間とズレた主張して目立ちたい気持ちはよく分かる。ただそんな擁護をしても得られるメリットなんてそのくらい。
ワイドショーで知った程度だけど、そのお人は給与を月百万以上貰ってたらしい。まず一般人の感覚から大きくズレてる。その金額の妥当性は自分ごときにはよく分かんないけど、相当に大変な仕事であると推察されます。民間人でそんな給料、まずありえません。が、その給与の出所は税金なので民間と比較するのがナンセンスなのかもしれません。
しかしそれほどの高給取りならおいそれとは辞めれないと普通は思うのですが。
自分だって安月給の低級国民だけど、簡単に休んだり、ましてや辞めるなんて考えもつきません。救急車で搬送されるってんなら話はまた違うけど、健康上の理由で休むとなるとまず職場に多大な迷惑かけます。自分の替えなんてそりゃいくらもいるだろうけど、きちんと引き継ぎ、残務処理を考えたらひと月、できれば二ヶ月はほしい。これは自分に限った話でもなく、世の勤め人の大多数がそうでしょう。自営業なら尚更です。
が、例のお人はひと月百万円超の高給取りであるにもかかわらず、なおかつ続投の意志がありながらも健康上の理由でさっさと辞職。本人から国民への説明もなし。責任感というものはないんでしょうか。職場は混乱しないんでしょうか。百万超も貰ってる超有能な人がいきなり辞めたりしたら相当な混乱招きそうですが、そんな気配も特になし。
そりゃ周辺の人はそれなりに困ってるのかもしれませんが自分はじめ庶民の我々には関係ありません。なにしろ給料出してる雇い主は我々であって総理や官邸ではない。
その雇い主である我々の中に、そういう人をどういうわけか擁護したがる人がいる。擁護して何か得られるメリットあるんだろうかと勘ぐってしまいます。間違っても空いたポストに就くなんてことはないと思うけど。いや、ただ単に目立ちたいだけの主張にいちいち反論する方がどうかしてるのでしょう。




