スライムに転生する事になった僕と君との内緒話
俺の名前は【A】今、親友の【B】と一緒に、神様の前に居る。
え? 名前ぐらいちゃんと教えろって? いいんだよ名前なんか適当で。どうせ、この後待ってる転生の儀式を終えたら、スライムに二人揃って転生する事は、確定してるんだから。
そりゃもう! 二人揃って、神様に猛抗議したに決まってる。
どうせ、転生するなら、チートがあって、ハーレム作って暮らしたいじゃん。
結局は、二人揃って、スライムに転生する事を、無理やり納得させられるハメになっただけだけど……。
神様が神様のくせに、教え諭す訳でも無く、魂を消し去るぞ! なんて脅してくるなんて予想外過ぎますよ。後、無駄に背景に炎を吹き上げさせて、稲妻落とすなんて、特殊効果まで使うんだから。
転生する先の世界には、呼称は同じ【スライム】なんだけど、見た目から性質から、何から何まで違う、2種類のスライムが生息してるらしいんだ。
それで、神様が言うには、どちらのスライムでも構わないから、自分で決めて、どちらのスライムに転生するか選べ! って言って、それぞれのスライムの違いと特徴が、書かれた紙を、僕と親友に渡してくれた。
僕らは、直ぐに決められないから、二人で相談してもいいか? 神様に聞いてみたんだ。
神様のOKを貰ってから、少し神様から離れた場所で、親友と向かい合う形で、座って、話を始めたんだ。
「とんでも無い事になっちゃったね」
『そうだね~、それで、スライムに転生するしか無い訳だけど、どっちにする?』
「う~ん……見た目だけで選ぶなら、間違いなく①のスライムだよね?」
『そうだね、②のスライムの見た目は、ちょっと……』
「スライムって、ゴブリンにも劣る雑魚中の雑魚モンスターって言うのが定番でしょ? 直ぐ死んじゃったりしないように、能力も考えてみようよ」
『生き残れる確率が高いのは、②のスライムなんだよねぇ……』
僕らの話し合いは、それからも続いたんだけど、ふと、ある疑問が二人の中に浮かんだんだよ。
元が同じスライムで、枝分かれして進化をしたとしたら、あまりにも①と②のスライムに違いがありすぎるって事に。
「神様~! 1つ質問してもいいですか~?」
《何だ? 言ってみろ》
『同じスライムから、枝分かれして進化したとしても、あまりにも違い過ぎるのって何でなんですか?』
《あ~そんな事か、それ、同じ祖先を持つスライムじゃなく、①のスライムは、人工的に作られて、増えていったスライムなんだよ》
それから、色々と話し合った結果。僕らは、②のスライムに転生する事に決めたんだ。愛くるしい見た目も大事だけど、命には変えられないからね。
「『神様、決まりました~②のスライムに転生します』」
そうして、僕らは旅立って行った。
二人の旅たちを見送った神様。
《あやつ等は、ちゃんと正解を選んだようで、一安心じゃ。
本来スライムとは、物理攻撃も効かず、どんな物でも溶かす、危険極まり無い最悪の部類に入るモンスターなのだが、あいつ等の前に、勇者と賢者として転生させた二人のせいで、スライムと言うモンスターが雑魚モンスターとして認識されたせいで、スライム被害が、はね上がってしまったからな》
本来の危険なスライムと、愛くるしいペットのようなスライムとが、同時に存在している、少しだけ歪な世界。
「『こんなスライムは、俺達の知っているスライムじゃねぇ!』」
そう言って、新しいスライムを作り上げてしまった、勇者と賢者にも困ったもんだ。
余談だが……。
勇者の名前を【ユージー・ホーリィー】
賢者の名前を【アキーラ・トリヤーマ】
と言うらしい……。
ドラ○エスライム。
TRPGスライム。
あなたならどちらを選ぶ?
作者は、TRPGスライムに即決。
だって、女性冒険者を取り込んで、服を溶かして、体全体で柔肌を堪能出来るんだもん!w