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第2話

魔法の勉強(と練習)を始めた瑠奈は、魔法書を手掛かりに色々な魔法を試し始めた。最初は、なかなかイメージが追いつかないものもあったが、今ではひと通りの魔法を使えるようになった。



王都近くの森ー


瑠奈の周りに、数体の緑の物体がうねうねと蠢いている。アレクは、近くの木に寄りかかって見ていた。



「《サーチ》!グリーンスライムか…うねうね気持ち悪いなぁ。弱点は火属性っと」



瑠奈は、目の前に見える(と言っても瑠奈のみだが)敵のステータスを見ながら呟いた。そして、左手を上げると、詠唱を始める。



「炎よ貫け!《ファイヤーウォール》!」



瑠奈の詠唱の後に、うねっていたグリーンスライム全匹に炎の柱が上がった。それを喰らったスライム全匹は、全滅した。それを見てアレクが、近寄る。



「ルナ、もう魔法は完璧じゃないか?今では、俺も知らない魔法も使えてるしな」


「魔法って、イメージが大切であることを最初にアレクが教えてくれたからですよ」



アレクの言葉に、瑠奈はそう答えた。イメージを実現するのか魔法。昔、読んだ小説を参考にしてみたのだが、それが良かったらしい。



「っと、もうこんな時間か…街から離れすぎたな。戻るのに30分はかかるか」


「アレク、それなら白翼騎士団詰所まで送りますよ?」



不思議がるアレクに、瑠奈は微笑んだ。そして…



「《ワープ》!目標、ツィーリア白翼騎士団詰所」



瑠奈が叫んだ瞬間、2人の姿が森から消えた。

そして、騎士団の制服を着た人達がいる詰所の建物前に立っていたのだった。



「うぉっ!?アレク、いきなり現れてどうした?」


「いや、すまない。これは、ルナの魔法だ。すごいな…これは無属性の魔法か?」



少し驚いたアレクに、瑠奈は「はい」と答えた。以前、図書館で無属性魔法について調べて習得したのだと説明した。



「じゃあ、アレクまた。私は、ギルドに寄ってから帰ります」


「ああ、ありがとう。気をつけてな」



そうして、2人は別れたのだった。そして、城下町にあるギルドの本部へと来た。


ギルド本部ーそこにはたくさんの人がいた。全員が冒険者で世界各地にある支部からここ王都近くの依頼を受けたり逆も然り。瑠奈のように、魔法使いもいれば、剣士、格闘家様々な職種がいる。



「あら、ルナさん。グリーンスライム退治早いですね〜さすが、2週間で銀ランクまでいった方」



受付で依頼終了の報告をすると、受付をしていた女性がそう言ってきた。実は、ギルドにはランクがあり、銅、銀、金、プラチナとだんだんランクが上がる、瑠奈は、魔法練習をするために色々依頼を受けてるうちに銀ランクまでいったのだった。



「あはは〜それは内緒ですよ?取り敢えず報酬は頂きます。また明日」


「またね〜」



ヒラヒラと手を振る受付嬢に、挨拶すると瑠奈はギルドを後にした。そして、この後どうしようかな〜?なんて歩きながら考えていた。



しかし、慣れとは恐ろしいものである。ついこの間までこの世界の情勢なんて知らず、魔法についても知らずにいた。しかし、いざ日本の諺で言う「郷に入っては郷に従え」だ。慣れれば、こちらの生活も悪くない…なんて思ってしまうのだった。



「宿に帰ろうかな?」



現在の拠点としている宿に、足を向ける。すると、宿屋前に人だかりが出来ていた。何事かとぴょんぴょん跳ねながら様子を見る。すると、近くのおじさんが場所を譲ってくれた。



「んだとてめえ!やるか、ごるぁら」


「んなこと、どうでもいいよ。邪魔なんだけど」



どうやら体格のいい男性と細めの青年が話し合い(と言うか体格のいい男性が一方的に話しているようだ)しているらしい。



「はぁ…僕はただ困ってたから女性を助けただけ。待ち人居ないし…明日出直すかな…っと」


帰ろうとした青年に、男性は怒ったのか殴りかかろうと相手に近づいた。が、相手の足元が凍っていたために動けなかった。すると、ふと青年と目が合った。



「ルナ様!」



青年の今まで硬かった表情が一変、笑顔になった。しかし、呼ばれた瑠奈本人は、青年と顔見知りではない。戸惑っていると、青年は慌てて名乗った。



「あ、すみません。僕、魔法師団研究所職員のマリウス・レーヴェといいます。ルナ様に、御協力願いたい事がありまして…」


「あ、お城の…えーと、取り敢えずその人何とかしませんか?」



青年ーマリウスの名乗りに、お城の人だと分かった。が、まずは後ろの男性の件だ。足元氷漬けの上放置…カンカンに怒っている。



「無視すんな、ごらぁ」


「なに?君との事は終わったんだけど?それとも…」



マリウスの言葉に、男性の足元の氷がだんだん上へと上がってきた。それに、男性が悲鳴を上げた。



「もっと、氷漬けになりたい?逃げるなら、今だけど?」



冷たいマリウスの声に、男性は「ひぃぃ」と悲鳴をあげて去っていった。出来事が終わり、人々は散り散りになる。残ったのは、瑠奈とマリウスのみだ。



「ルナ様、すみません」


「いや、私に謝られても…それに「様」はいいですよ」


「ルナ様は、全属性の魔法使い…おいそれと呼び捨てなど出来ませんよ」


「分かりました!で、御用ってなんでしょうか?レーヴェさん」


「僕の事は、気軽にマリウスと呼んでください。実は…」



マリウスは、瑠奈に事情を話し始めた。

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