百鬼 端を知る
『ハイカラ』と、
この時代とは似つかわしくない音が鳴る。
微かな音ではございますが、
その音は確かに耳に届くのです。
音は次第に大きくなり、
人はそれに合わせて足を早める。
きっとそれは
胸を打つ祭囃子のようなもの。
更に音が厚くなれば、
きっと舞台は開演することでしょう。
そこで舞うは人一人。
己が語り部となり、
幕引きまでと演舞する。
台本こそはあれど、
台本通りに進むはずもなく。
ワタシはそれらの台本を作るだけ。
異端で末端のワタシは思う。
これ即ち物語を紡ぐ架け橋を知る。