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まったく魔法少女ってやつは

作者: のどうた
掲載日:2016/05/15

まったく魔法少女ってやつは、どうして、こうあんなにいい加減なやつらなんだね。


たとえば、ピンクの髪をしたあいつなんかは、てんで優柔不断で要領が悪い。

こないだも悪い魔物が出てきたかと思えば、すぐに向かえばいいものを。

やれ、学校だ。やれ、友達だ。やれ、買い物だなんて抜かして、うだうだ時間を過ごしてやがる。

おかげで、町だの人だのがまあ被害を被るわけだ。

最後に落とし前つけているんだから、OKってかい?

ほんとに迷惑ったらありゃしない。


でもな。そんな周りからすりゃ無駄な時間が魔法少女ってやつを成長させたりするんだよな。

家族や友達の情に気付いたり、地道な積み重ねの大切さを感じたり。

人ってのは、一人じゃどうしようもないものさ。

だから、魔法少女ってやつらも、だいたい困難にぶつかると色んな人の力を借りるわけだよ。

まあ、時には人ですらなかったりするんだ。

人ってのは、色んなもんに支えられてる、それを知ったり改めて気づいたりすると今まで以上の力がでる。

そういう風にできてるんだな。


最初はあんなに頼りなかったやつらがさ、気がつきゃ、もう不可欠な存在になってるわけ。

最初はだれも知らんのよ、その存在すら。

でも、いまや誰もが知ってて、誰もが頼りにしている。

そんな存在なんだよな。

もうびっくりだよ。


でもさ、何が一番びっくりって、変身解けばただの女の子なんだよ。未だに。

命かけて平和とか守ってる癖にさ、制服着てりゃ、お菓子や恋の話題が好きだったりするわけ。

もう、思わず突っ込んじゃうよね。そこは年相応かよっ!って。


そのギャップがさ、平和とか大仰なもんが一番偉い訳じゃなくて、

そうじゃないもんも大事って言ってるんだよな。

俺はさ、あいつらに最後に会った言ってやったわけ。

「無力なお前らに何ができる!」って。

そしたら、

「私たちは諦めない。力を合わせて立ち向かう!」

だよね。もう一人の力が小さいってわかってんだよね。あのすげえ力持ったやつらがさ。

もうやってみろとして言えなくなるよね。

可能性の話だもん。

俺も一角の力を持ってたけどさ、未来予知はできねえよ。

できたら、こんなんになってないわな。当然だ。

俺の方がさ、夢ってか野望もあったし、そのための努力もしてきたつもりだよ。

まあ、慢心があったことは認めるけどさ。

だからよ、「私たちの未来はこれから考えます。」

なんて自立心も見通しもないやつらに負けるのってやっぱり悔しかったよ。

でも、やっぱりそういうことなんだよ。


だから俺は負けたの。

すがすがしい意識だけの存在になって漂ってるわけ。

そのうちどっかに落ち着きたいとは思うけど、いまは、とりあえずこのままでいいやな。

あんだけ悪事働いた自分がこんなんでいいのかとも思うけど。

きっとそこは魔法少女ってやつらにはどうでもいいんだろうな。

日常が帰ってきただけで満足なんだよ、きっと。


魔法少女ってやつはほんといい加減なやつらだよ。

でも、そこがまったく魅力的でもあるんだな。

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