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その日 ボクが見たものは…
ボクは驚いて
その女の子の顔を見たが
その子の顔に見覚えはなかった
その時
風が吹いて
その子の髪が
ボクの首筋に触れた
ずいぶんやわらかい髪だな
猫っ毛って
こういうのを言うんだろうな
それにしても
この子は誰だ?
初対面だよな?
いや
知ってる子かな?
ボクは
数少ない恋愛経験をたどってみた
何人かの女の子の顔が浮かんだ
だけど
やっぱりこの子はいなかった
ボクはとまどうばかりだったが
女の子は安心しきった様子だった
この子
誰かと人ちがいしてるのかな?それにしても
ずいぶん大胆な子だよな
だけど
ボクも男だ
女の子に甘えられて
悪い気はしない
ボクがその子の肩に
手を回そうとした時
一羽のハトが樹のそばに舞い降りた
そのとたん
それまで丸くなるようにして
ボクにもたれていた女の子が立ち上がり
ハトに向かって駆けだした
その子の足の速さに
ボクは驚いた
だけど
それよりもっとボクを驚かせたのは
ほとんど足音がしないことだった
それでも
気配を感じたのか
ハトは空へと飛び立った
次の瞬間
ボクの目に映ったのは
信じられない光景だった
それまでそこにいた女の子の姿は消え
代わりに現れたのは…
ハトをのがして
くやしそうな顔をした
我が家の飼い猫のミィだった。
END




