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2.どうしようかな


マントルを抜けて体感で数日

俺は悩んでいた

既にプレートだろうものは突破したが、問題はこのまま地上まで行くべきかどうか

人間の頃の倫理観が足を引っ張る

文明、生物、自然

それらが俺のせいで壊れるかもしれない

そんなことを考えて先に進めない

………

とりあえず、地上に出る事にした

やらないで後悔するよりもやって後悔する方がいいだろう

進む

少しずつ周りが柔らかくなってきた

岩じゃない、土や泥などだろうか

そんなことを思っていたら、先端の感覚が変わった

常にあった圧迫感がなくなり、何かが表面を滑るような……これは風か?

もう少し伸びる

……?

何かに当たった、いや貫いた?

多分地面から出たんだろう……何を貫いた?

少ししてどろっとしたものが伝ってきた

………いきもの?

……骨を肉を皮膚を貫いた、心臓を止めた

感覚がわかる、命を奪った感覚が

なぜ?いや、俺は少ししか伸びていないはずだ

生き物を貫くほどのスピードはないはず

頭がぐちゃぐちゃだ

逃げないと


そこから先の記憶は曖昧だ

多分俺は最初に包まれていた所まで全て引き戻しただろう

あちこちに伸びていたやつも全て


それだけ………怖かったんだ


―――


矢羽が、微かに震えていた。

私の指は弦を引き絞り、狙いは正確だった。

距離も風も問題ない。

いつも通りの狩だ。

ツノ兎は草を食んでいる。

白い体毛に、短く硬い一本角。

警戒心が強いはずだが、今日は運がいい。

――放つ。


その瞬間だった。

地面が、わずかに“盛り上がった”。

音はない。

爆発も、振動もない。

ただ、土が――内側から押し上げられた。


私の矢は放たれたが、狙いが僅かに逸れた。

矢はツノ兎の脇をかすめ、木に突き刺さる。

そして。

ツノ兎の胸元から、細い何かが突き出た。


黒でも、銀でもない。

光を反射しない、ただ“そこにある”何か。

一瞬。

それは空気に触れたように揺れた。

次の瞬間、引き戻された。

血が、遅れて流れた。

ツノ兎は跳ねることもなく、その場に崩れ落ちる。

私は動けなかった。

矢で仕留めたのではない。

明らかに違う。

今のは――地面から、出た。

私は周囲を見回す。

森は静かだ。

鳥も鳴いている。

風もある。

だが、確かに見た。

土が、内側から押し広げられた。

……地竜?

いや、違う。

地竜なら振動がある。

魔力の奔流も感じるはずだ。

だが、今のには魔力の気配がなかった。

まるで。

ただの“物体”。

それが、地面から現れただけのような。

私はゆっくりと立ち上がる。

護衛は少し離れた位置にいる。

まだ気づいていない。

ツノ兎の亡骸へ近づく。

胸の中央に、円形の穴。

焼けてもいない。

抉られてもいない。

“押しのけられた”ような穴だ。

土が付着している。

下から、貫いた。

私は喉が乾くのを感じた。

これは偶然か?

それとも――何かが、地下にいる?

そして、思い出す。

数日前から、屋敷周辺で小さな地鳴りがあったことを。

使用人たちは気のせいだと言った。

だが私は覚えている。

あれは、前触れだったのか?

私は空を見上げる。

晴天だ。

だが、足元に、得体の知れないものがいる。

「……回収しろ」

護衛に声をかける。

声が、わずかに震えていた。

これは事故ではない。

狩の最中に起きた、不可解な現象。

もしこれが“魔物”ならば、討伐対象だ。

もしこれが“未知”ならば――

私は唇を引き結ぶ。

貴族として、この森を管理する者として。

調べなければならない。

地面の下に、何がいるのかを。


―――


何かしらの生き物を殺してから多分結構経った

俺は少し立ち直っている

けど、いまだに動かないでいる

動いたらまた殺してしまうかもしれない

そんなことを考えてしまうからだ


どうしたらいい

俺の意思でないにしても俺は命を奪った

その事実が重くのしかかる

…………

多分、”俺が”いるからいけないんだろう

本来人間の意識が無機物に宿ること自体おかしい

だから苦しんでいるんだ、俺が人間の俺がいる。だから前世の常識を倫理を意識してしまって罪悪感に溺れる

消えてしまいたい

いなくなりたい

前世よりもその思いが強くなる

でも、無機物に死はない

……いや、全部をこの星の核に送れば終わるか?

………いやだ、死にたくない

……結局は死にたくない

それが俺を縛っている

自らを嫌悪しても、いなくなるべきと分かっていても

自分は大事らしい

……はは、そうだよなみんな自分が大事だ、自分が一番

何を他の奴に気を遣って自分を抑圧する必要がある

……考えを変えないといけない

自己中心的にならないといけない

自分を愛さないといけない

自分を好きにならないと

……俺が自由であるために

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