出会い
はぁ…はぁ…残り20体――
残存聖力では厳しい…。
一か八か、リリスは武器を精力に変換し、ゲートを開いた。
噂には聞いていた、魔法を扱う異界。
ゲートをくぐり抜けると、森に辿り着く。
しかも最悪なことに、目の前には熊の魔物がいる。
武器はワープに使う聖力に変えてしまったため、手元には何もない。
死を覚悟したその瞬間――
熊の魔物の頭が蹴り飛ばされ、首が折れて倒れる。
「大丈夫か?」
声が聞こえる。
「ありがとうございます…」
いや、礼を言うのはまだ早い――
リリスは気づく。
魔族が、私が開いたゲートが閉じる前に、この世界に一体来ていたことに。
人間ではない――あからさまな角。
噂には聞いていたが、やはり魔族か。
リリスは服を聖力に変え、武器を創造する。
だが武器はすぐに折れてしまった――服から作れる程度の武器では到底敵わない。
リリスは心の中で願う。
「この世界は魔法を扱う……この人が、魔族より強いことを」
魔族が襲い掛かる瞬間――
男が蹴り飛ばし、壁に激突させる。
血反吐を吐き、その身体は粒子となって消えた。
急所ごと破壊したのだ、魔力も使わずに。
「あ…ありがとうございます…」
「その…服…」
リリスは赤面する。
男は無言で上着を貸すのだった。




