表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界営業〜大事なのは剣でも魔法でもない。営業力だ!  作者: 根立真先


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/68

ep47 その女、魔導師につき①

 バーバラがビーチャム研究所へ訪問する前日の夜のこと。

 ひとりの軽装の冒険者風の女が、クオリーメンの繁華街を歩いていた。


「おい見ろよアレ。イイ女じゃねえか」


 ひとりの男がその女に目をつけると、ツレの男たち二人も彼女に釘付けになる。


「可愛い顔してやがるな」


「スタイルも良いぞ。胸はデカいしケツもイイ」


 三人組の男は頷き合い、彼女へ近寄っていった。


「ん?」


 気配に気づいた彼女が男たちを振り返って立ち止まった。

 男たちは思わず彼女の顔と身体をまじまじと見つめてしまう。

 金髪のショートヘアーに無邪気な少女のような可愛らしい顔立ち。

 それに反比例したスタイル抜群の大人っぽい体つき。

 ショートパンツから伸びる(すこ)やかな脚は、女らしさと(たくま)しさを兼ね備えている。


「よお、ねーちゃん。こんな所でひとりかい」


 ひとりの男が声をかけた。

 ナンパである。


「ひとりだよ?」


 女は屈託なく答えた。


「この町の人間じゃあないっぽいが」


「そうだよ。旅の魔導師的な?」


 女は誇らしげにえっへんと口角を上げた。

 その素振りは子供っぽく、天真爛漫な元気っ()といった感じだ。


「へえ、意外だな。ねーちゃんは魔導師なのか」


「魔導師ナナラといったら泣く子も黙るんだゾ」


「ローブも羽織ってないし、冒険者って感じだけどな」


「こっちのほうが動きやすくていいんだ」


「なるほどな。で、この町には来たことあるのか?」


「ないよ。だから全然わかんないや」


「じゃあさ、ナナラちゃん。おれたちが案内してやるよ」


 男たちは下品な笑みをひた隠しながら微笑んだ。


「ほんとにー?」


 ナナラはノリが良かった。


「よし。じゃあとりあえず美味い店に案内するぜ」


「やったー!わたし、お腹すいてたんだ~」


 この時ばかりは男たちもニヤつきを隠せなかった。

 今夜は眠れない夜になりそうだぜ。

 などと期待に下半身...でなく胸を膨らませた彼らはまだ知らなかった。

 それがほんの数時間の儚い夢だったということを。





「お、おい......」


 男たちは呆然としていた。

 飲み始めてから何時間経っただろうか。

 ナナラのペースがまったく落ちない。

 それどころか、酔っているのかどうかさえわからないほど彼女はケロッとている。


「店員さーん、おかわり!」


「ちょちょちょっと待て!」


 思わず慌てて男たちはナナラを制止した。

 これ以上この勢いで飲み続けたら、自分たちのほうが先に潰れてしまう。


「も、もう、そのへんにしとこうぜ?」


「あれ、朝まで飲みまくるって言ってなかったっけ?」


 ナナラにはまるで他意が無く、あどけなかった。

 その様子はむしろ男たちを「うっ」と萎縮させる。


「わるい。おれ、便所行ってくるわ......」


 男のひとりがそう言って立ち上がり、酒酔いのおぼつかない足取りで店内を歩いていった。

 その時だ。


「あっ」


 男はすれ違いざまに誰かと軽くぶつかった。

 

「あんだテメー」


 ぶつかった相手の野太い声が聞こえた。 

 反射的にそいつを見た。

 すると、縦幅も横幅もデカいレスラーのような体格をしたギャング風の大男が、強面(こわもて)に濁った眼をギラつかせていた。


「いや、おれは便所に行こうとしてだだけで」


「謝んねえーのか、テメー」


「ち、ちょっとぶつかっただけじゃねーか」


「謝んねーんだな」


「いや、だから......」


 その瞬間だった。

 やかましい衝撃音とともに破壊されたテーブルに、男が体ごと埋まった。

当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

面白かったら感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

気に入っていただけましたら今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ