表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界営業〜大事なのは剣でも魔法でもない。営業力だ!  作者: 根立真先


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/68

ep46 真実

 バーバラを連れて研究所に戻ったふたりは、はじめて真実を知った。

〔魔法の泉〕への魔力注入の後、バーバラが毎回こうなっていたことを。

 ゆえにこの先は、老魔導師の自分ではなく、もっと活力に溢れた若い魔導師が相応(ふさわ)しいのではないか、そう考えてバーバラが辞去しようとしていたことを。


「そんなに負担がかかっていたのか......」


 ビーチャムは心配と反省と気づけなかった自分自身への怒りを織り交ぜた如何(いかん)ともしがたい表情を(にじ)ませる。

 

「だから代わりの魔導師を見つけることを勧めたんですね。でも、なぜ今までこうなっていたことを隠していたんですか?」


 大成が訊ねた。

 椅子に座りながら杖をついているバーバラは、はぁーっと吐息を吐いた。


「ただの老魔導師の意地じゃよ」


 バーバラの本音ではあった。

 だが本音のすべてではなかった。

 こう言った方が若者ふたりに気を遣わせないで済む。

 バーバラは杖を支えにゆっくりと立ち上がった。


「報酬までもらったんじゃ。プロとして当然の仕事をしたまでじゃ」


「それも貰わないで行こうとしていたじゃないか」


 ビーチャムが真剣な顔でツッコむと、バーバラは飄々(ひょうひょう)と笑った。


「バーバラさん......」


 大成は感謝の気持ちと同時に、(いき)でカッコいい人だなぁ、と素直に感嘆していた。

 それからこうも思う。

 魔法や魔力だけじゃない。

 きっとこの人は、俺たちにとって必要な人間だ。

 

「それじゃあ、わしは行くぞ」


「バーさん、もう大丈夫なのか?」


「休んだから大丈夫じゃよ」とバーバラが玄関に向かおうとした時だ。


「あの、バーバラさん!」


 大成が老魔導師を呼び止める。


「なんじゃ?」


「バーバラさんには、俺たちの相談役になってもらえませんか?」


「相談役?」


「ベテラン魔導師として、あるいは人生の先輩として、バーバラさんの知見に授かりたいと、そう思ってます」


 バーバラを見つめる大成の眼差しは、誠実そのものだった。

 青年らしい快活な輝きがあり、相手への敬意と尊敬もある。


「タイセー......」


 ビーチャムの視線はむしろ大成に貼りついていた。

 本当に不思議な奴だ。この男は。


「そうかい」


 バーバラはふっと頬を緩めて、うんうんと頷いた。


「わかった。引き受けるよ」


「ありがとうございます!」


 大成はグッと小さくガッツポーズを取ってから、その勢いのままいきなり切り出した。


「さっそくひとつよろしいですか?」


 あまりのスピード感に一瞬バーバラは呆気に取られるが、次第に面白がってニヤリと笑う。


「なんじゃ?」


「参考までに教えてください。俺たちに合う魔導師って、どんな魔導師だと思いますか?」

当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

面白かったら感想やいいねなどいただけますと大変励みになります。

気に入っていただけましたら今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ